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全米女子OP“前哨戦”で胸を高鳴らせた選手たち 「米国が本当に存在しているのかも分からない」という独特な声も

優勝は逃したものの岩井明愛(左)は前哨戦をいい形で終え米国に乗り込む(撮影:佐々木啓)

<資生堂 レディスオープン 最終日◇2日◇戸塚カントリー倶楽部(神奈川県)◇6605ヤード・パー72>

6日開幕の「全米女子オープン」に出場する選手たちにとってはこの日が渡米前、最後のラウンドとなった。優勝争いに絡んだ岩井明愛、吉田優利や、上位ではプレーできなかった佐藤心結、脇元華と結果はそれぞれだったが、いずれも2日夜の便でペブルビーチへと飛び立った。

プライベートを含めて、初めての渡米となる佐藤は「3日目のラウンド後、時間があったので」と星条旗をイメージしたネイルを施して登場。今大会はトータル1オーバーの36位タイと満足のいく結果ではなかったが、「自信になるショットもあったし、アプローチも寄せたいなではなく、入れにいく気持ちが出てきました」と手ごたえを口にした。

全米女子オープンに向けては「出場するだけでも夢が叶ったという思いですけど、そこに満足せず、出るからにはいい結果を残したいです」。自身のプレーだけでなく、トップ選手のプレーや練習を間近で見るのも楽しみにしていることのひとつ。最も注目しているのはリディア・コ(ニュージーランド)だという。さらに「食べ物がどれぐらいビッグサイズなのかとか、これがアメリカなんだという経験をしたいですね。今はまだアメリカが本当に存在しているのかも分からないので…」と独特過ぎる表現でワクワクした胸の内を明かした。

脇元華はトータル5オーバー・54位タイでのフィニッシュ。今大会は2度、ダブルボギーを叩いた10番など、明確な苦手ホールがあり、スコアを伸ばせなかったが「調子が悪いわけじゃないので、もう少し調整して、ショットがピンに絡むようにしたいです」。今季はメルセデス・ランキング38位とシード復帰に向け、ここまで順調なシーズンを過ごしている。

コースを離れる時点でフライトは数時間後に迫っていたが、「昨日、荷物はまとめておいたので、あとはパッキングだけです」とのんびりした雰囲気。さらに指導を受ける吉田直樹コーチについても「同じ時期に米国にいると聞いているんですけど、別件みたいなので練習を見てもらえるのかはよく分かりません」とあやふやだった。マイペースが過ぎて、プレー以外でのドタバタがないことを祈りたい。

5位タイの吉田はアマチュア時代の2019年大会(予選落ち)以来、2度目の全米舞台となる。当時は左手親指を痛めており、満足にプレーできる状態ではなかっただけに、プロとしても、万全の状態で臨むのも今回が初めてとなる。最終日は4バーディーでボギーなしと上々のラウンド。「完ぺきではないのでミスもあるんですけど、60点ぐらいはあげられるかなと思います」とゴルフの調子も上向きのようだ。

岩井はプレーオフに1打及ばず、単独の3位。ただ「自分の中ではいいプレーができたので悔いはないです。なかなか優勝できなくて、応援してくださっているのに申し訳ないです」と涙を見せた。それでも、好調を維持しての初めてのメジャー挑戦には「すごく楽しみだったので、チームのみんなと一緒に最善を尽くして頑張ります」。2位、2位、3位と直近の3試合はいずれも惜敗となったが、気持ちを切り替えて大舞台に臨む。(文・田中宏治)

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