
ゴルフの世界ランキングとは?「世界ゴルフランキング」ポイント獲得の仕組み【男子プロゴルフ】
1.ゴルフの世界ランキング
男子プロゴルフの世界ランキングは1986年から施行された「世界ゴルフランキング(英: Official World Golf Ranking)」です。導入初期はそれほど重視されていませんでしたが、1999年からはメジャー大会や世界大会の出場資格になり、ランキングの意義が高まりました。
最初に世界ランキング1位になった選手は、ベルンハルト・ランガー(当時西ドイツ)。
ちなみに女子プロの世界ランキングは、2006年から導入された「ロレックス・ランキング」のことです。
女子プロの世界ランキングについては「ゴルフの世界ランキングとは?「ロレックス・ランキング」ポイント獲得の仕組み【女子プロゴルフ】」をご覧ください。
世界ゴルフランキングが関わる主な大会
「世界ゴルフランキング50位以内」は、以下のような大会の出場要件です。
■4大メジャー:マスターズ、全米オープン選手権、全英オープン選手権
■ザ・プレイヤーズ・チャンピオンシップ
4大メジャーのうち、全米プロゴルフ選手権のみ「世界ゴルフランキングのインターナショナル・フェデレーションランキングリストのトップ3」が出場資格となっています。このランキングは、日本・アジア・豪州・南アフリカの各4ツアーの賞金ランキング上位10名(合計40名)を世界ランキングに基づいてランク付けしたもの。つまり、14名の選手が該当します。
2.【男子プロ】世界ランキングの仕組み
世界ゴルフランキングは、PGAツアー国際連盟に加盟されている5つの主要ツアーなどでポイントがもらえるポイント制です。ランキングの期間は過去2年間(104週間)にトーナメントで獲得したポイントを出場試合数で割り算する平均点方式です。また、その間に対象の試合に出ていなければランキングからは除外されます。
■世界ランキング(平均ポイント)=【過去2年間の総合ポイント÷出場試合数】
出場試合数が40試合以下の場合は「40」、56試合以上の場合は「56」で割ります。
また直近13週分のポイントはそのまま加算されますが、14週以降のポイントは毎週1.09%ずつ減っていき、104周目にはほとんどゼロになります。常に新しい結果に重点が置かれる仕組みです。
2022年8月に変更:ポイントは“フィールドレーティング”で決まる
各大会はレベルに応じてポイントが設定されますが、2022年8月にレベルの算出方法が変更されました。以前はトーナメントのフィールド強度(SoF)で格付けしていましたが、現在は「フィールドレーティング」を採用しています。
「フィールドレーティング」はその大会に出場した選手の「パフォーマンスポイントの合計」を表します。「パフォーマンスポイント」とは「SGワールドレーティング(SGWR)」ともいいます。過去2年間の各ラウンドのスコアを相対的な難易度によって調整したSG(ストローク・ゲインド)データで、直近の成績ほど比重が高くなります。ただしこの算出方法は使う数値が常に変動しており、個人で計算して出せる簡単なものとはいえません。「強い選手が多いほど大会レベルが高くなり、ポイントも多くなる」と理解しておくだけでよいでしょう。
重要なことは、この変更によって“日本ツアー選手のポイントが激減した”という点です。
というのも、4大メジャー大会と「ザ・プレーヤーズ・チャンピオンシップ」を除く全てのミニマムポイントが廃止された結果、日本オープン優勝者の獲得ポイントは約4分の1にまで減りました。ミニマムポイントとは各大会優勝者のポイントを調整していたもの。変更前には、米ツアーと欧州ツアーの優勝者には最低24ポイント、日本とオーストラレイジアツアー優勝者には最低16ポイントが付与されていました。これが廃止され、日本ツアーはアメリカの下部ツアーよりも評価が下になり、特に海外ツアーに参加しない選手はポイントを獲得することが難しくなったのです。
2024年1月から2点追加でさらに白熱!
さらに2024年1月からは以下の2点が追加されました。
■参加しただけではポイントを獲得できなくなった
■複数勝利得点が導入された
出場選手が80名以下の大会では、上位により多くのポイントが付与される新しいポイント配分が実行されることになりました。つまり予選カットのない大会では、下位15%の選手にはポイントがありません。またマッチプレー競技では、1回戦敗退もしくはプール形式全敗の選手もポイントなしというルールです。
また、勝てば勝つほどランキング上位に上がりやすくなりました。例えば52週間以内に再度優勝した場合60%のボーナスポイントがつき、3回優勝すれば70%のボーナスがつきます。(ただし合計4ポイントが上限)
世界ゴルフランキングのポイントが多くもらえる大会は?
世界ゴルフランキングのポイント付与の多さは、以下のようなイメージです。
■ポイントの多さ=アメリカPGAツアー>欧州ツアー>日本ツアー
後述するLIVゴルフ参戦組を排除しないゴルフ大会もあり、そのポイントも厳密に反映されてランキングが決定されます。
ここでは参考として、2023年の大会でポイントが多かったものを一覧にまとめました。下2つは日本で最もレートの高い大会と日本国内での最高ポイントの大会です。
優勝者の獲得ポイント |
フィールドレーティング |
大会名 |
勝者 |
---|---|---|---|
100.00000 |
462.54031 |
全米プロゴルフ選手権 |
ブルックス・ケプカ |
100.00000 |
433.44902 |
全英オープン |
ブライアン・ハーマン |
100.00000 |
421.66636 |
全米オープン選手権 |
ウィンダム・クラーク |
100.00000 |
335.29755 |
マスターズ |
ジョン・ラーム |
80.00000 |
434.49297 |
ザ・プレイヤーズ・チャンピオンシップ |
スコッティ・シェフラー |
69.47745 |
403.95584 |
トラベラーズ・チャンピオンシップ |
ギーガン・ブラッドリー |
67.28448 |
391.20546 |
アーノルド・パーマー・インビテーショナル |
カート・キタヤマ |
19.22479 |
111.77682 |
ISPS ハンダ – チャンピオンシップ*1 |
ルーカス・ハーバート |
9.96993 |
57.26931 |
ダンロップフェニックストーナメント |
杉浦裕太 |
(世界ゴルフランキング公式サイト 2023年データより)
*1:日本ゴルフツアー機構(JGTO)とDPワールドツアー(旧欧州ツアー)の共同主催
賞金約3億円(200万米ドル)
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