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日本王者・三隅直人がドラコン世界大会の切符掴む 自己最速のHS70m/s越えで世界一見えた!? 「今後の自分に期待したい」

今回優勝した22歳のセバスチャン・トワデルと三隅直人。身長はトワデルが199センチで三隅が173センチ(本人提供)

5月5~7日にワールド・ロング・ドライブ(WLD)のメスキート大会(米ネバダ州)が行われ、ジャパン・ロング・ドライブ(LDJ)日本大会3連覇中の三隅直人が、ベスト16まで勝ち進んで、15位に入り「素直にうれしい」と語った。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、19年を最後にWLDツアーは3年間開催されていなかったが、昨年まで行われていたプロフェッショナル・ロング・ドライバー協会(PLDA)を吸収する形で4年ぶりに復活。大会前に同じ会場で行われた「ワールドチャンピオンシップ・ドラコン選手権」の予選会では、三隅は1位通過。10月にアトランタで行われるドラコン世界大会への切符を掴んだ。
 
実は、WLDツアーに三隅は3月にも出場している。「そのときはスピンコントロールに苦しんで」予選会で権利を得られず、大会も初戦で姿を消した。「僕はもともとカットスイングだったので、とにかく叩いて叩いてスピードを上げることしか考えてなかったんです」。三隅のスイングではWLDの公認球であるブリヂストンゴルフの『e9』は、スピン量が増えすぎて飛ばなかった。
 
帰国してからすぐさまボールを研究してスイング改造に着手し、「アタックアングルがマイナスだったのが、プラス8度くらいになりました」と、ダウンブロー気味だった入射角を、アッパーブローへとチェンジ。結果として、「最初3500回転くらいだったのが2000回転くらいになりました。クラブは替えていません」と、スピン量を減らして吹け上がりを抑えることに成功した。
 
スイングイメージについては「前は上から叩いてアウトサイドから入ってきていたのが、今はインサイドからカチ上げるイメージですね。そこでフェースが開くと右にペラペラと弱い球になってしまうので、フェースを閉じて、右に打ち出して左に帰ってくるドローボールを打っています」と話す。
 
フェードからドローへのスイング改造は、スピン量を減らすことを一番の目的としていたが、思わぬ副産物もあった。「大会では弾道測定器が各打席に設置してあって、データが全部見られるのですが、僕のヘッドスピードが他の選手に比べて速いんですよ。ボールのスピードも劣ってない」とヘッドスピード、ボールスピードともにアップ。大会では自己最速の時速157マイルをマークした。これは70m/s以上に相当する。三隅のヘッドスピードは今回優勝したオーストラリアの新星、22歳のセバスチャン・トワデルに次ぐ数字だった。
 
男性の一般ゴルファーが40m/s前後、男子ツアープロの飛ばし屋が50 m/sを超えるくらいと考えると、かなりのスピードだというのがわかる。
 
ベスト32からベスト16を決める試合では、三隅は3位通過している。「ヘッドスピードだけでいえば、ドラコン世界ランキング1位のカイル・バークシャーよりも速かった。どうやって優勝カップを持って帰ろうかって心配しているくらいでした(笑)。そんなに甘くなかったですけどね。いままで本当に手が届かない存在でしたけど、しっかりその辺の数字を打ち続ければ、いけるんじゃないかと感じました。今後の自分に期待したいですね」。大会では自己最長距離417ヤードを大きく更新する446ヤードを記録し、大きな手応えを得る一週間となった。
 
今後は8月のLDJ日本大会で4連覇を目指しつつ、10月のドラコン世界大会に照準を合わせていく。一番の目標だった世界大会への切符を掴み、WLDツアーへの参戦予定は今のところないが、「スイングに慣れれば、もっと速くなる予感はある。せっかく乗ってきている状態なので、世界大会までにあと数回行けたらという思いはあります」と考えている。35歳の挑戦はまだまだ続く。

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