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オフの原点回帰&ヤマハの新クラブで絶好調 賞金王奪還狙う今平周吾が逆転開幕戦V「自信を取り戻しました」

クールな男が珍しくガッツポーズ。今平周吾にとって「自信を取り戻す」優勝になった(撮影:米山聡明)

<東建ホームメイトカップ 最終日◇2日◇東建多度カントリークラブ・名古屋(三重県)◇7062ヤード・パー71>

2018、19年の賞金王が鮮やかな逆転で開幕戦Vを決めた。2打差の4位タイから出た今平周吾が、8バーディ・ボギーなしの「63」で回りトータル20アンダー。2位の星野陸也に2打差をつけて今季初優勝、通算8勝目を挙げた。

賞金王時代の相棒、柏木一了キャディと21年のフジサンケイクラシック以来のコンビを組んだ。12アンダー・2位で決勝に進んだ今平は、3日目「71」と伸ばせずに終わった。3日目から柏木キャディは「4日間で1日はこういう日があります。勝負はサンデーバックナインだ」と言い聞かせた。

2打差を追う最終日、前半は「グリーンの感触が合わなくてなかなかバーディが来ませんでした」と2つ伸ばすにとどまったが、9番パー4で2メートルのバーディパットがイメージ通りカップに沈む。「パッティングのイメージがよくなった」と、柏木キャディが呪文のように唱えていた“サンデーバックナイン”にスイッチが入った。

10番で5メートルを沈めると12番からの3連続バーディで首位に立った。そして17番パー5は2オン2パットで引き離すと、18番パー4では2打目を2メートルにつけてダメ押しのバーディ。「これで有利になった」。冷静沈着な今平が珍しくガッツポーズを見せた。

史上5人目の2年連続賞金王を戴冠後、20-21年シーズンは9位、22年シーズンは12位に終わった。昨季は9月以降の11試合に出場してトップ10入りはわずかに1回。「ちょっと自信を失っていました」と吐露した。

今オフは原点回帰の意味も込めて、ジュニア時代から行っている埼玉県入間市の展望台で階段トレーニングを行った。頂上まで244段を一気に駆け上がる。これを1日10往復、毎日のように行った。「マシンでトレーニングをやると筋肉が硬く感じます。階段トレーニングはバネのある強さが身につく感じがします」とスイングの感覚もよくなった。

また、オフの間にテストをして開幕から即投入したクラブ契約を結ぶヤマハの新クラブも追い風となった。ドライバーもアイアンもいずれも『RMX』のプロトタイプ。「ドライバーは飛距離が伸びましたし、安定性も増しました。アイアンは高さが変わらず飛距離が5ヤード伸びて、操作性もいい」とツアー屈指のショットメーカー・今平の新しい武器となった。

今季の目標は年間3勝を挙げて賞金王奪還。「早い時期に勝てたのはうれしい。これに満足せずに次も優勝を狙いたい」と早々に“目標”達成を目指す。昨年失いかけていた「自信は取り戻しました」と力強く語る。毎試合のように優勝争いに加わっていた18年、19年の頃のように、強い今平が戻ってきた。(文・小高拓)

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