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知らないコースでプレーするためには何をすればいい【原田香里のゴルフ未来会議】

キャディと念入りにコースチェックを行う岩井明愛(撮影:福田文平)

ゴルフを愛するみなさん、こんにちは。原田香里です。日本勢が16人も出場した「AIG女子オープン」(全英)。優勝はリリア・ヴ(米国)さんでしたが、メジャー優勝を目標にしている畑岡奈紗さんだけでなく、2日目を終えて2位にいた勝みなみさん、最終日に猛チャージを見せた西郷真央さん、踏ん張った岩井明愛さんなど日本勢も、見どころをつくってくれました。

今回は、大会初出場の選手も少なくありませんでしたが、それ以外でも舞台となったウォルトンヒースGCについて事前情報をあまり持たずに現地入りした人が多かったようです。
 
初めて試合が開催されるコースや、新人の場合などは日本でも同じですが、海外ならなおさら初めてのコースで試合に臨むことは少なくありません。岩井明愛さんが全米、全英と2試合出場したメジャーを振り返って、コンディションの急変や見たこともないコースでプレーするような場合の話をテレビのインタビューでしていましたが、まさにそういった対応が求められます。
 
アマチュアのみなさんも、ホームコースでプレーしている場合以外は“お初”のコースでプレーする機会は多いと思います。そんなとき、どうしていますか? キャディさんがついていればいろいろと聞けますが、最近ではセルフプレーの場合も多く、戸惑うことも多いかもしれません。
 
前もってホームページでコースについて確認する方もいれば、メンバーさんから情報を頂くこともあるでしょう。プロもそれぞれの方法でコースについて知るようにしています。私の場合は、まずヤーデージブック(メモ)を参考にしながら練習ラウンドでさまざまな確認をします。
 
傾斜や芝目、バンカーの砂質などが主でしょうか。ハウスキャディさんがついてくれれば、そこは情報の宝庫です。季節による風向き、風の抜け道、グリーンによって違う癖などがわかるとありがたいですね。
 
選手同士やキャディさんたちの間での話にも耳を傾けます。自分が練習ラウンドをした時間とは違う天候、自分が確認していない場所の様子など、一人では得られない情報が手に入るからです。そこで得た情報を、さらに練習ラウンドや本戦の中で、自分でしっかり確認してアップデートしていく感じでしょうか。
 
アマチュアのみなさんの場合は、競技でなければそこまでする必要はないかもしれません。ただ、セルフプレーの場合、自分以外のプレーヤーの安全という意味で、コースを知ることは大切です。自分のボールの落下点が見えないブラインドホールの場合は特にコースの状況を把握する必要があります。打ってもいいという合図の信号や鐘などに気を配るのはもちろん、前の組のカートの位置、プレーヤーがどこにいるかなど、よく見てください。
 
安全にプレーするためにもう一つ大切なのが、自分の飛距離を把握するということです。ティショットで使うことが多いドライバーはもちろん、セカンドショットで使うものを中心に、自分が打つそれぞれのクラブの飛距離がどのくらいなのかを知ることです。これができていないと、前の組に打ちこんでしまうという最悪のことになりかねません。万一のときには必ず「フォア!」と聞こえるように大きな声で叫びましょう。
 
飛距離というとランも含めて考えますが、キャリーならどれくらいで、地面の硬さによって変わってきますが転がり(ラン)がどれくらいか、ということもわかっているほうがいいですね。
 
キャリーとランをしっかり把握することで、もちろんスコアアップにつながります。コースの攻め方も変わってくるでしょう。コースを知り、自分を知る。ゴルフの本質がここにあります。情報をしっかり仕入れると同時に、自分のゴルフを深く掘り下げることが、安全なゴルフにつながり、スコアもよくなるというわけです。

■原田香里(はらだ・かおり)
1966年10月27日生まれ、山口県出身。名門・日大ゴルフ部にで腕を磨き1989年のプロテストに合格。92年の「ミズノオープンレディスゴルフトーナメント」でツアー初優勝。93年には「日本女子プロゴルフ選手権大会」、「JLPGA明治乳業カップ年度最優秀女子プロ決定戦」勝利で公式戦2冠を達成。通算7勝。その後は日本女子プロゴルフ協会の運営に尽力し21年3月まで理事を務めた。

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