6月と9月にその後を左右する山場が到来 今年のリランキングはどうなる?【23年女子ツアー丸わかり】
3月2日から行われる「ダイキンオーキッドレディス」で幕を開ける2023年の国内女子ツアー。今年もこれまでと大きく異なる点、注目すべきポイントが存在する。ということで「23年の女子ツアーで知っておきたいこと」を予習・復習しておこう。今回はリランキングについて。
18年に「選手間の競争力を高め、ツアー強化を図ることを目的に、シーズン途中に非シード選手を賞金ランキング上位順に並び替え、その順位に基づき出場資格を付与し直して調子の良い選手、実力のある選手がちゃんと大会に出られるようにしよう」と始まったこの制度。導入初年度には原英莉花がシードを獲得、19年には稲見萌寧が初優勝と、開幕時には満足に出場権を確保していなかった選手が、この制度によってチャンスをつかみ飛躍を遂げてきた。昨年もQT87位で開幕を迎えた金田久美子が、第1回リランキングで18位まで浮上し11年ぶり優勝につなげた好例がある。
『年間』、『複数年』、『永久』と種類はあれど、“シード選手”という肩書を得た選手は、一部の試合を除き、原則翌シーズンのフル出場権が約束される。上記したリランキングの対象になるのは、それ以外の選手たち。翌年の出場権をかけて争われる予選会、すなわちQTを経てツアーに出るプレーヤーだ。ざっくりとした説明にはなるが、QTでは順位に応じてランクが与えられ(1位通過ならQTランク1位のように)、このランクがそのまま次のシーズンの“優先出場順位”になる。QTランク上位であればあるほど、出場試合数も増える、というわけ。
そしてリランキングは、シーズン途中にQTで決められたランキングの見直しをする、という制度。QTでは好成績を挙げられなかったものの、年が明けてから調子が上向いてきた…みたいな選手を救済する役割があるといえる。
すでに今年のリランキング実施タイミングも発表済みで、第1回が6月16日開幕の「ニチレイレディス」終了後。第2回が9月22日から始まる「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」終了後となる。つまり開幕時点のQTランクの有効期間は16試合となり、QTで上位に入った選手はその位置を守れるよう踏ん張る必要がある。一方、失敗した選手は浮上を目指して出られる試合で結果を残し、しっかりとメルセデス・ポイントを積み重ねていくことが大事になる。
ちなみに優勝すれば、その時点から翌年いっぱいまでの出場権が発生するため“リランキング卒業”となる。今年もこの制度によって笑う選手、泣く選手が現れるのは間違いがないだろう。どのようなドラマが待ち受けているのかにも注目したい。
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