菅沼菜々がプレーオフ制して初優勝 試合中のメンタルは「アイドルなんで」【2023年思い出フォト】

悲願の初優勝を挙げた菅沼菜々(写真は2023年大会)(撮影:佐々木啓)

長野県の軽井沢72ゴルフ北コースで行われた2023年「NEC軽井沢72ゴルフ」。菅沼菜々がプレーオフを制してツアー初優勝を挙げた。

「アイドルなんで、笑顔でやり過ごしました」。最終日はなかなかバーディが来ず、フラストレーションが溜まるときもあったが、応援しているアイドルグループ『乃木坂46』のメンバーになりきってプレー。独自のメンタル術により、ピンチを乗り越えた。

3打差の単独首位からスタートした最終日は、3バーディ・ボギーなしの「69」をマーク。トータル16アンダーで並んだ神谷そらとのプレーオフは1ホール目はともにボギー。2ホール目のティショットは菅沼がフェアウェイ、神谷が右ラフへ。2打目を左のカラーに置いた神谷に対し、菅沼はピンそばにつけるナイスショット。約1.5メートルのウィニングパットを沈めると、右こぶしを突き上げて優勝の喜びを表した。18番のグリーンサイドにいた父、親友の稲見萌寧らから祝福され、涙があふれるシーンもあった。

菅沼は2018年のプロテストで一発合格を果たすと、20-21シーズンに初のシード権を獲得。22年は15回のトップ10入りに加え、メルセデス・ランキング8位と飛躍したが、勝利をつかむことはできなかった。優勝スピーチでは「なかなか勝つことができなくて、もう優勝できないんじゃないかと思ったこともあります。悔しい思いをたくさんして、こうして勝つことができてうれしい。本当に夢のようです」と満面の笑みで話した。

20年には特定の状況で強い恐怖や不安を感じる『広場恐怖症』を公表。飛行機などの交通機関を利用できず、車で移動できる大会のみ出場している。「私と同じ広場恐怖症の人に勇気とか、感動を与えられるんじゃないかと思っています」。

プロ6年目でつかんだ悲願の初タイトル。それは単なる勝利を超えた、特別な意味を持つものだった。