ハッピーバースデー、タイガー・ウッズ! 生涯獲得賞金は約175億円…48歳の偉大すぎる記録を振り返る
タイガー・ウッズ(米国)が米国時間12月30日に48歳の誕生日を迎えた。ゴルフメディアはタイガー特集を、そしてファンからはお祝いのメッセージが送られている。
2021年2月にロサンゼルス郊外での自動車事故で右足を大きく損傷したが、昨年、奇跡のカムバックを果たした。そして今年は「四大メジャーへの参戦」を願ったが、それは叶わなかった。
4月の「マスターズ」は途中棄権。4月末には右足首を固定させる手術を敢行した。この影響で手術後は公式戦に出場することはなかったが、12月には自身が主催する「ヒーロー・ワールドチャレンジ」(バハマ)で実戦復帰し4日間プレー。その2週後には長男のチャーリー君とペアを組み、2日間大会の「PNC選手権」で元気な姿を見せた。来年は「月に一回程度は出場したい」というのが目標。次戦は来年2月のPGAツアーで、こちらも自身がホストとなる「ジェネシス招待」(2月15日~、リビエラCC)とみられている。
1996年のプロ転向から27年、常に記録を塗り替えてきた。PGAツアーは「ハッピーバースデー、タイガー。もっとも偉大なプレーヤー」と称し、年齢にちなんでタイガーの48の真実を発表しているが、その中の“トリビア”をいくつか並べてみよう。
・タイガーがプロ転向後、世界ランキング1位に到達するのに掛かったのは291日
・世界ランキング1位に就いたのは合計683週間で最長記録。2〜5位のグレッグ・ノーマン(オーストラリア)、ダスティン・ジョンソン(米国)、ローリー・マキロイ(北アイルランド)、ニック・ファルド(イングランド)の4人を合わせて669週となり、4人集まってもタイガーには勝てない。
・サム・スニード(米国)と並んで歴代1位のPGAツアー通算82勝は、7カ国での勝利。内訳は米国74勝、イングランド2勝、スコットランド2勝、スペイン、カナダ、アイルランド、日本が各1勝だ。最後の勝利は2019年に日本で開催された「ZOZOチャンピオンシップ」。
・今年で消滅してしまうWGC(世界選手権シリーズ)はタイガーの得意大会で、プロ転向後に出場した最初のWGC33大会で16勝を挙げた。
・タイガーの得意コースは3つ。同一大会でこちらもサム・スニードと並ぶ8勝を挙げた場所が2つある。ベイヒルクラブ&ロッジ(フロリダ州)での「アーノルド・パーマー招待」と、ファイアーストーンCC(オハイオ州)の「WGCブリヂストン招待」。そしてトーリーパインズGC(カリフォルニア州)では、「ビューイック招待」で7度の勝利を手にし、さらに08年の「全米オープン」を合わせると8度の勝利を挙げている。
・01年4月のマスターズを制して“タイガースラム”を達成。00年6月、ペブルビーチ・ゴルフリンクスでの全米オープン、7月にセントアンドリュース・オールドコースの「全英オープン」、8月にバルハラGC(ケンタッキー州)での「全米プロ」に勝ち、同年はメジャー3勝。01年にマスターズに勝つと四大メジャーすべてのチャンピオンとなった。しかし年をまたいだだめに“グランドスラム”であるかが論争となり、“タイガースラム”と呼ばれている。
・連続予選通過記録142大会は今も最長。1998年2月の「ファーゴ選手権」から2006年5月の「ウエルズファーゴ選手権」まで予選落ちなしだった。しかし同年5月の「バイロン・ネルソン」で記録が途絶えることに。この142大会でタイガーが勝利したのは37大会で、勝率は2割6分を誇る。
・出場連続優勝記録は7大会で、06年7月の全英オープンに勝利すると、8月のビューイックオープン、全米プロ、WGCブリヂストン招待、9月のドイツ銀行選手権、WGCアメックス選手権、07年1月のビューイック招待(現ファーゴ選手権)。ちなみにタイガーは1999年のWGC・NEC招待(のちのブリヂストン招待)から2000年2月のAT&Tペブルビーチ・ナショナルプロアマまで6大会連続勝利も記録している。7大会目のビューイック招待で連続勝利記録を止めたのはフィル・ミケルソン(米国)で、タイガーは2位だった。さらに07年9月のBMW選手権から、08年3月のアーノルド・パーマー招待では5大会連続優勝も経験。
・四大メジャーすべてを制する“生涯グランドスラム”を達成した偉大な5選手ベン・ホーガン(米国)、ジーン・サラゼン(米国)、ジャック・ニクラス(米国)、ゲーリー・プレーヤー(南アフリカ)の一人だが、3度“生涯グランドスラム”を達成しているのはニクラスとタイガーだけ。
記録を並べると限りがないが、27年間のPGAツアーでの生涯獲得賞金は1億2095万4766ドル(約175億円)で、これも歴代1位となっている。昨年の米フォーブス誌ではタイガーは総資産が10億ドル(約1440億円)を超えビリオネア入りしたと報じられた。来年が素晴らしい1年になりますように。(文・武川玲子=米国在住)
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