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遅れてきた”黄金世代”25歳の高木優奈 ”プロ初仕事”で完全V達成

25歳の高木優奈が新人戦完全優勝を果たした(撮影:福田文平)

<JLPGA新人戦 加賀電子カップ(96期生)最終日◇8日◇グレートアイランド倶楽部(千葉県)◇6582ヤード・パー72>

6度目の最終プロテストで合格を勝ち取った高木優奈。初日に2位に4打差をつけるも、2日目は“誤球”もあり首位はキープしたものの貯金を切り崩した。そんな波に飲まれながらもしっかり立て直した高木は、最終日を5バーディ・3ボギー、スコアを2つ伸ばしトータル5アンダーで完全Vを達成した。

「嬉しいです」ときょうも明るく登場。新人戦は「楽しく、結果的に優勝できたらいいなと思っていた。だけど(初日に)4打差があったので、勝ちたい気持ちが強くなった」と曜日を重ねるにつれ優勝への意識も変わっていった。そして迎えた最終18番、パーパットを沈めると大きなバンザイで喜びを爆発。「昨日の誤球をなかったことにするには勝つしかない。この2打に泣きたくなかったので本当に良かった」と昨日のトラブルが頭をよぎるも払拭して見せた。

高木は、米ツアーで活躍する畑岡奈紗や渋野日向子と同学年の25歳。プロテスト6度目で悲願の合格をつかんだ苦労人だ。単年登録制度で出場していた2020ー21年シーズンは45試合もレギュラーツアーに出場したが、制度廃止となった22年にはJLPGAの正会員でなかったため、QTを受けることができず日本のツアーに出場できなかった。ステップ・アップ・ツアーでの優勝経験もあるが、今回の新人戦での優勝は格別だ。

プロとしての初仕事を優勝で飾った高木は、この大会で自分の現在地も見えた。「5アンダーじゃ全然ダメ。レギュラーツアーならもっとアンダーで回ってくると思うので。練習不足」。また、来季の課題も口にする。「課題はドライバー。また、180ヤードくらいのショートは、レギュラーツアーでいっぱい出てくる距離。長めの距離をオフに徹底的に練習したい。100ヤード以内の精度も」と多くの宿題をこなしていく。

前週のQTファイナルステージでは14位に入り、来季はレギュラーツアーの開幕戦から出場を見込んでいる。「もっとうまくなりたいし、もっと強くなりたい。シード権獲得はもちろん優勝したい」と明確な目標も持っている。「嫌で嫌で仕方がなかった。一生受けなくていいので気持ち的には安堵と共に気持ちよくゴルフができる」と辛かったプロテストを乗り越え今は伸び伸びとプレーをする。プロとして大仕事をやってのけた高木は、先に活躍する黄金世代の選手たちを追いかける。(文・齊藤啓介)

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