
アイアンでもカーボンシャフトの選択はあり? スチールシャフトとの違いや使用プロも紹介
1.アイアンでもカーボンシャフトはあり?
アイアンで上手くボールが打てない、上がらないといった悩みを持っているなら、カーボンシャフトに挑戦してみるのも一つの手段です。
ゴルフにおいて、自分に合ったシャフトを選ぶことはとても大切です。スイングの再現性を高めたり、ミスする確率を下げたり、心地良いフィーリングが得られるなど、さまざまなメリットがあります。
これは全てのゴルフクラブに言えることで、アイアンも例外ではありません。昔からの定番であるスチールシャフトも年々種類が増えていますし、カーボンシャフトもさまざまな重量、特性を持ったモデルが登場しています。
昔は、「スチール=重い」、「カーボン=軽い」というイメージがありました。現在では軽量なスチールシャフトもあれば、重いカーボンシャフトも存在します。必要な性能に合わせて、さまざまな重量のシャフトが揃っていますので、必ず自分に合うモデルがあるはずです。
2.カーボンシャフトとスチールシャフトの違い
カーボンシャフトとスチールシャフトにはどのような違いがあるのか、素材の特性から徹底的に紹介します。
カーボンとスチールって素材としてどんな違いがある?
シャフトの素材として、カーボンとスチールにどのような違いがあるのか解説しましょう。
まずカーボンの特徴として、比重が軽いことが挙げられます。種類によって変わりますが、カーボンの比重は1.5〜1.8で、鉄の7.8と比べるとかなり軽量であることが分かります。カーボンは比重の軽さを生かして、モノを軽量化するのが得意な素材のため、軽量シャフトを作ることに適しているのです。同時に、設計自由度の高さもあるため、先端が走るようなシャフトにして球の高さを出すなど、スチールシャフトで実現するのが難しい性能を持たせることも可能となっています。
一方でスチールは、重くしっかりしたシャフトを作るのに適した素材です。剛性を高めやすく、スイング中のネジレを小さく抑えることが可能になるため、コントロール製の高いシャフトを作ることができます。設計自由度という意味ではカーボンには及びませんが、最近では細かく肉厚を調整したり、製造工程における熱処理を工夫する方法が開発され、さまざまな性能を持たせることも可能になりました。また、製造コストを抑えやすく、カーボンに比べて安価に作れることもメリットだと言えるでしょう。
カーボンシャフトはサポート機能が欲しい人に合う
シャフトに、スイングをサポートする“お助け機能”を求める人には、カーボンシャフトがおすすめです。パワー不足をカバーしたい、ボールの高さを出したい、ボールをつかまえたいといった悩みがある場合は、適切なモデルを選ぶことで解消される可能性があります。
まず、カーボンシャフトなら軽量で、同じ番手でもスチールより長く作られることが多いため、ヘッドスピードを上げやすく、ボールの高さを出しやすくなります。しなり量の多いモデルを選ぶことで、ヘッドスピードを高めながら、スライスやプッシュなどのミスを防ぐこともできるでしょう。
カーボンシャフトを選ぶ注意点は?
重量やフレックス(硬さ)を選ぶときは、スチールシャフトよりも軽く、軟らかいモノを選びましょう。カーボンは軽量な素材ですが、その分、重いシャフトを作るには多くの材料が必要になります。同じ重さのカーボンシャフトとスチールシャフトの断面図を比較すると、実はカーボンの方が圧倒的に肉厚になるのです。肉厚なシャフトをしならせるには、相応のパワーが必要です。
そのため、90グラム台のスチールを使っていたからと言って、同じ90グラム台のカーボンを選んでしまうと、むしろハードでクラブが使いづらくなる…という事態になりかねません。カーボンは柔らかいものというイメージがあるかもしれませんが、アイアン用シャフトに関して言えば、重い重量帯のモノはしなりが少なく、スチール以上にハードに感じるモノが多くなります。
スチールシャフトが合うのは自分で球筋をコントロールしたい人
最近ではお助け機能の付いたモデルも存在しますが、基本的にスチールシャフトは剛性が高く作られたモノが多く、ゴルファーが振ったなりにボールが飛んでくれます。自分のスイング、スキルでボールをコントロールしたい人にスチールシャフトが最適です。
また、番手ごとの飛距離を安定させて、狙った距離を打ちたい場合もスチールシャフトがおすすめです。お助け機能を持ったカーボンシャフトはしなり量が多めで、振り方によっては、ボールが急激に飛ぶことがあります。剛性の高いスチールシャフトは、振ったなりの飛距離が安定して出てくれる特性があり、思いがけない飛びが出る可能性が低くなっています。プロや上級者になるほど、飛距離のブレを嫌がる傾向が強いため、男子プロを中心にスチールシャフトが根強い人気を誇っているのです。
これ以外にも、カーボンシャフトとスチールシャフトを選ぶポイントとして、打感の違いが挙げられます。同じヘッドに装着したとしても、カーボンシャフトの方が衝撃を吸収する特性が強く、打感がソフトに感じられることが多いです。一方で、人によっては「打感がぼやけた」と感じることもありますので、衝撃がダイレクトに手に伝わりやすいスチールシャフトのソリッドな打感が好まれる場合もあります。自分が求めるフィーリングに応じて、シャフトを選ぶことも大切です。
初心者はカーボンとスチールどっちがいい?
結論から言うと、一定以上のパワーがある初心者の方はスチールシャフトを選んだ方が良いです。
基本的にカーボンシャフトはメリットを享受するために軽量なモノを使いたいですが、初心者が闇雲に軽いシャフトを使ってしまうと、上達を遅らせてしまう危険性があるからです。アイアンはある程度の重さがあることで、ダウンブローに上からヘッドを打ち込みやすくもなりますし、しなり量の少ないスチールの方が、ヘッドが遅れて入ってくるので、ハンドファーストなインパクトを作りやすくなります。
スイングの土台ができて、その上でクラブにどんな性能が欲しいか見えてきたら、カスタムのカーボンシャフトを使用することを検討すると良いでしょう。
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