
岡山県から岩手県まで新幹線で約6時間半。20歳の花下苺(はなした・いちご)はゴルフバッグとキャリーケースを自ら引いて、ツアー外競技・マイナビ ネクストヒロインツアーにやってきた。初出場試合は20位に終わったが、「岡山からひとりで来たので、ちょっと心配だったけれどとても楽しかったです」と笑顔を見せた。
岡山出身で、岡山理科大附属高の卒業生。3学年上の先輩には桑木志帆がいる。「ビシバシ鍛えられました」と学生時代を過ごし、卒業後は鬼ノ城ゴルフ倶楽部でキャディとして働いた。先輩たちがネクヒロに出場していたことで興味を持っていたが、「いままでは資金がなくて出られなかったんですけど…」。周りのサポートもあって、やっと出場がかなった。
この夏は月20日をゴルフ場で、「お休みの日」にゴルフスタジオでレッスンをする忙しい日々を過ごした。そしてこの秋から、ゴルフスタジオで社員として働くことに。同時にスポンサー役も買って出てくれて、「めちゃくちゃありがたいです」とゴルフに没頭する環境が整った。試合に「出られるものは出たい」と意気込み、実戦を増やしていきたいと考えている。
今年のプロテストは「初日にティショットでチーピンが止まらなくなってしまって…」と1次で敗退した。悔しさをかみしめながらも、スイングスピードをゆっくりにすることで改善中。そして「全体的に精度を上げていきたい。働いているスタジオを生かしながら練習していきたいですね」と来年を見据えている。
とあるゴルフYouTubeの番組に出演してから、インスタのフォロワーが倍以上になった。「声もかけてもらえるようになりました。とてもうれしいですよね」。ここからさらに顔を広めていきたい。
落ち着いた雰囲気ながらも、かわいらしい笑顔をのぞかせる。名前の由来は、2004年9月に法律が改正されて、“苺”という漢字が名前に使用できることになったことだった。05年4月24日に生まれ、「その中で母が“苺”に目が留まって『みんなから愛される』という意味があった。花下の名字の画数が少なめなので、名前が重いと運気がいいとか…。いろんな候補から苺になりました」。
好きなフルーツは「正直に言って、苺です(笑)」。名前と顔を覚えて、ぜひ応援してみてはいかが?(文・笠井あかり)
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