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昨年との展開の差はフェアウェイにあり  “コース連覇”かかる畑岡奈紗が挙げるキーポイント

首位を6打差で追って最終日に進む(撮影:ALBA)

<JMイーグル・LA選手権 3日目◇29日◇ウィルシャーCC(米カリフォルニア州)◇6447ヤード・パー71>
 
昨年、同じコースで行われた「DIOインプラントLAオープン」を制し“コース連覇”を狙う畑岡奈紗は、首位と6打差のトータル3アンダー・12位タイで最終日に入る。「ティショットもあまり感覚がよくなかったけど、それよりもセカンド以降のフェアウェイからのショットがチャンスについてくれなかった」。ポコポコとボールが跳ねるポアナ芝の影響もあって、前半のスコア変動は1番のボギーのみと、1つ落とすことになった。

それでもチャンスを生かした後半に4つのバーディ。最終18番パー3は、カラーからパターで打った2打目が少し浮いていたことにより、出球が跳ねて実質的な3パットボギーになる不運もあったが、上位をうかがう位置には踏みとどまった。特に13番、そして5メートルを沈めた15番と2つのパー5をともにバーディとしたのは、「13番はきょうは(ティが)前に出ていたので絶対獲りたかった。アプローチがすごくうまく寄ってくれて、タップインできました」と大きな意味を持つ。
 
「すごくきれいに整えてくれていると思うけど、やっぱりポアナ芝特有のバウンドをしてしまう。最終ホールもそうだけど、そこが難しい。短いところにつけても難しい状況。遠くからとなるとやっぱりパーパットも慎重になりますね」というグリーン上は、やはり厄介な存在といえる。最終日も多くの選手が踏みしめた後の午後1時10分にスタートすることもあり、引き続きショットから神経を使うことになりそうだ。
 
この3日目はシャイアン・ナイト(米国)が「67」をマークし、2位に2打差をつけるトータル9アンダーまで伸ばし単独トップに立った。それでも大会はここまでなかなか上位が伸びず、ガマン比べの様相を呈していた。昨年の畑岡は、2位に5打差をつける圧勝とひとり別次元ではあったものの、トータル15アンダーまで伸ばしていた。その違いについては、こう考えている。
 
「ピンポジションが難しいのも理由の一つだと思うけど、去年はフェアウェイがもう少し硬く、それで飛距離を稼いで短いクラブを手にしていた。今年はそこがやわらかいので距離が稼げない。特に手前のピンは、フェアウェイにボールが落ちると上っていかないし、ピンに打つとグリーンをオーバーする。ティショットで距離が稼げない分、今年は長いクラブを持って奥に外したり、なかなか距離が合わせにくいですね」
 
実際、昨年の同じ時期に行われたDIOインプラントLAオープンで畑岡の4日間の平均飛距離は264.3ヤードを記録していたが、今年は3日間で261ヤードと微減している。トレーニングの効果などもあり、自身の飛距離自体は伸びているが、この差も展開の違いにつながっている。
 
今週はアドレス位置、そしてテークバックでクラブが寝ないことを意識的にプレー。「ほかにも直したところはあるけど、それをコース上でやってしまうとぐちゃぐちゃになってしまう。(ショットが)左に出てしまう原因もわかっているけど、そこは今はやるべきではない」など取り組む課題をシンプルにし、上位で戦っている。「最後のボギーは痛いけど、これだけショットが寄らないなか後半も伸ばせた。もう少しショットが改善できればもっとチャンスになる。何かきっかけをつかめたら」。やわらかいフェアウェイの上から安定したショットを放ち、“連覇”を意識し続けられる最終日にしたい。(文・間宮輝憲)

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