弱気は封印! 初Vへ後半猛チャージ 23歳・藤田かれんは1差3位で決勝Rへ「しがみついていきたい」
<リゾートトラストレディス2日目◇24日◇関西ゴルフ倶楽部(兵庫県)◇ 6545ヤード・パー72>
何度もバーディチャンスを逃し、ティショットをグリーン左奥に外した8番パー3で先にボギーが来た。「焦るな、焦るな」と自分に言い聞かせていたプロ3年目の藤田かれんが、後半にスコアを伸ばした。トータル4アンダーで折り返した直後の10番パー5で、グリーン右バンカーからの3打目をピンそば1メートルにつけて待望のバーディ。流れをグイと引き寄せると、12番、14番でも伸ばす。そして18番パー4は、残り157ヤードの2打目を4メートルにつけて、ねじ込んだ。
初日はツアー19試合目で初めて首位に立った。この日は順位では一歩後退もスコアを3つ伸ばし、初V圏内をしっかりキープ。大会前はポテトチップスのような複雑な傾斜が特徴のグリーンに「むずい。予選を通るイメージがない」とこぼしていたが、3位で決勝ラウンド進出を決めて、「後半は別人になりました」と笑みがこぼれた。
「前半は正直言って、腹立たしい部分もあった。でも、待っていたら(バーディが)来ると思ってガマンしていました」
人懐っこい、明るい性格。滋賀出身の23歳はボケとツッコミを忘れないザ・関西のノリで常に笑顔を忘れない。だが、自己分析は「すごくネガティブ。ミスするとすぐ弱気になる。だから、キャディさんに聞こえるように『どうしよう』とかしゃべっています」。
今週は2014年にプロ転向した5歳年上の兄・翼の友人で、京都翔英高時代に京都府高校選手権で優勝経験もある東修平さんに初めてバッグを担いでもらっている。「初めてキャディをやってもらう方には自分を知ってもらうために『ネガティブなんです』と自己紹介しています」。どこまでが本当で、どこからがジョークかは分からないが、最後もバーディで締めて、笑顔でホールアウト。決勝ラウンドでは初の最終組をゲットした。
「ギャラリーさんも増えると思うけど、それをいかに楽しんでいけるかですね。しがみついていきたい」
3人きょうだいの末っ子で、両親にとっては待ちに待った女の子。「かれん」という名前は母・さおりさんが「言葉の響きが好きで、女の子ができたら、つけたいと思っていた」と命名した。今季はQTランク3位の資格で出場し、暫定リランキングは現在6位。6月の「アース・モンダミンカップ」以降の出場資格もほぼ確定している。初Vだけを目指す週末の2日間。弱気の虫は封印し、¨かれん¨なプレーで頂点を取りにいく。(文・臼杵孝志)
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