LIVゴルフで珍事 リチャード・ブランドが“スロープレー”によるペナルティ
<LIVゴルフ第8戦 at バルデラマ 2日目◇1日◇レアルクラブ・バルデラマ(スペイン)◇7028ヤード・パー71>
スペインのアンダルシア、バルデラマで開催されているLIVゴルフの第8戦。リチャード・ブランド(イングランド)が『スロープレー』によるペナルティを受けて一打罰を科せられるという、男子ゴルフではめったにないことが起きた。
問題のシーンは2日目。LIVゴルフの発表によると、ブランドはセルヒオ・ガルシア(スペイン)とディーン・バーメスター(南アフリカ)と同組で5番パー4からスタートした。4ホール目の8番パー4を終えたところで前の組から離されていたため、競技委員から“警告”を受けた。それにもかかわらず、9ホール目の13番パー4終了時点でさらに大きく離されていた。
LIVゴルフでは「プレーヤーは一打につき40秒を持ち、同組で最初に打つ場合は10秒の追加が認められる」というルールがある。15番パー3でブランドが最初にティショット打ったが、その一打に要した時間は『84秒』だった。そのため「ポリシーに反した」として一罰打が加わり、「5」のダブルボギーとなった。
50歳のブランドはDPワールド(欧州)ツアーで長年プレーしてきたベテランだが、ペナルティもあって第2ラウンドは「73」。トータル1オーバーの21位となった。
スロープレーが問題となって久しいが、プレーの進行が早い男子ゴルフでペナルティを科せられることはほとんどない。最後に男子ゴルフでスロープレーのペナルティを受けたのは、2021年の海外メジャー「全米プロ」初日のジョン・キャトリン(米国)、その前は2013年、当時14歳のアマチュア、グアン・ティアンラン(中国)が一打のペナルティを受けている。
ちなみに、PGAツアーでも同様にスロープレーのルールがある。同じく選手は1打につき40秒の持ち時間で、同組で最初に打つ選手は50秒となっている。前の組に離されていると“警告”が発せられて、2ホールほど様子が見られるが、離されたままだとタイムが計られるのはLIVと同じ。2度目のオーバータイムで違反となるのだが、違反をしてもすぐにペナルティとはならず罰金が科せられる。その金額は“5万ドル”(約725万円)もの大金だ。
罰金が科せられても公に発表されることはないが、それを疑問視する向きもある。いずれにせよ、高額賞金を獲得する選手らにとって“5万ドル”という出費は大した痛手ではないのかもしれない。(武川玲子=米国在住)
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