「重すぎやしないか?」 石川遼が監修したスタンドバッグに込められた想い
<ダンロップフェニックス 事前情報◇15日◇フェニックスカントリークラブ(宮崎県)◇7042ヤード・パー71>
プロ1年目で出場した2008年大会で2位に入って以来の好成績を求める石川遼が、新たな装いでコースに現れた。プロゴルファーがよく使用している自立式バッグではなく、スタンドバックを使用。石川監修のもと、こだわりを取り入れたオリジナルモデルだ。
プロゴルファーのキャディバッグはいわゆるツアーモデルと呼ばれ、重めのモノが主流。そのいつものバッグを持った時、ふと思った。「仕方がないけれど、重すぎやしないか?」。クラブやボール、さらにはウエアなどを詰めれば10キロ以上をゆうに超えるバッグに抱いた疑問を、自ら解消してみせた。
とはいえ、ツアープロにとっては、自立式バッグを使いたい理由もある。それが背袋と呼ばれる部分などに多くあるスポンサーロゴ。スタンドバッグには2本の脚がつけられるため、この部分の面積が少なくなり、さらに立たせれば地面を向いて見えづらくなる。
そのツアープロならではの問題を、アイデアで解決した。脚の間に帆のように布をつけ、立てたときに台形型に広がるような工夫を施した。「パッティングの時に(グリーンサイドで)バッグを倒すけれど、スタンドバッグだと脚を出せる。倒してロゴが下になってしまうよりは、ロゴはずっと出ているので露出が増えるかなと」。そこにロゴを掲載しているカシオの了承を得て、コースに持ち込んだ。
唯一の懸念点は、天候が悪い日にバッグに入れたいものが増えることによる「収納」。そこについては実際にコースでテストを重ねながら、最善策を考えていきたいところでもある。
「スポンサーロゴの露出スペースがなくなってしまうこともあって、(スタンドバッグは)プロツアーで広まり切っていない。ゴルフをする若い人たちも増えてきているし、セルフプレーの文化もある。セルフで気軽にできる文化みたいなのをアピールできるのかなと」
重いバッグを担いできたキャディへの「お節介」と笑いながら表現する。「なかなかこのコースをつかめずに今日に至っている。ほかの選手よりも自分でスコアを失っているところもあるんじゃないかと思うので、準備してやっていきたい」と見据える宮崎での一戦では、プレーだけでなく、それを支えるキャディとバッグにも注目してほしい。(文・笠井あかり)
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