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レギュラーツアーに“返り咲き” 大里桃子はQT6位突破「1年間きつかったけど、報われた」【QTの明と暗】

レギュラーツアーに生還! 大里桃子はQT突破でこの笑顔(撮影:福田文平)

<JLPGA ファイナルQT 最終日◇1日◇葛城ゴルフ倶楽部 宇刈コース(静岡県)◇6421ヤード・パー72>

今季メルセデス・ランキング86位で、プロ入り後初めてシードを喪失した大里桃子がQTを6位で突破した。最終日の後半には5バーディを奪う猛チャージ。ボギーフリーの「67」を叩き出して、一年間の苦しみを吹き飛ばすようなプレーで締めくくった。

トータルイーブンの22位タイで迎えた最終日。前半戦出場権の目安となる35位まではわずか1打のリードで、まったく気が抜けない状況だった。「朝、吐きそうなくらい緊張していたけれど、緊張をしっかり認めて、悪い方に行かないように気を付けながらうまく集中できた」。ピンチをしのぎながら、前半はオールパー。そしてバックナインで“覚醒”し、来季の職場を確保した。

2018年7月のテストに合格し、8月「CAT Ladies」ですぐさまツアー初優勝。それ以来、一度もシード権を逃したことがなかったが、今年は35試合に出場してトップ10は1度だけ。予選落ちは23試合にのぼった。「予選落ちが続いて、ペースをつかめないまま前半戦が終わった。その頃にはメンタルも結構やられていた。たまにいい感覚も出るけど続かなくて、なにが悪いんだろうというのが1年間続いていた」。持ち味であるショットに違和感を覚え、フィニッシュすら奇麗に取れないという状況にも陥った。

だが、8月に持ち球をドローからフェードに変えるという大胆な改造を行い、そこから徐々に回復し始めた。「QTに切り替えようと、この1週間のために後半戦で調子を整えていた。それがうまくハマってくれた」。このファイナルQTに向けて腹をくくってシーズン終盤を戦い、それは実を結んだ。

72ホール目となった最終18番では、ピンまで50センチにつけてバーディを奪った。ショットメーカーらしい“一撃”で23年を締めくくり、「1年間きつかったけれど、きょういいスコアで上がれた。報われた感じがします」。確かな手ごたえを得て、オフへと入っていく。

「気を抜かずにトレーニングや練習を頑張りたい。でも、ちょっとだけ休みたいと思います」。来季はシード選手とは異なり、リランキングを気にしながらのシーズンにもなるが、ここから再び復活を目指していく。(文・笠井あかり)

【前半戦出場権を獲得した今年のシード喪失者】
小倉彩愛(QT2位)、大里桃子(QT6位)、岸部桃子(QT10位)、三ヶ島かな(QT26位)

【QTを突破した主な選手のコメント】
■小倉彩愛(QT2位)
「今シーズンはシードで出て、1年間いろいろ試していたことがうまくいかなかった。気持ちも落ちてきて、ゴルフに対する意欲が高かったとは言えないけれど、QTに出てゴルフに対する自分の気持ちが弱いと感じた。QTで熱さを取り戻した。来年につながると思うし、オフにもっと上手になりたい気持ちが大きいです」

■藤田かれん(QT3位)
「ホッとしている気持ちでいっぱいです。今年は(下部の)ステップ・アップ・ツアーで初優勝を目標にしていたけど、つかめなかった。来季はもっと厳しい世界だと思うので、このオフは戦えるように準備をしたいです」

■河本結(QT4位)
「いい時も悪い時も経験した。やっぱりわたしはゴルフが大好きだし、ゴルフを通してたくさんの感動をいろんな人に与えたいという気持ちが出てきたので、QTを経験して良かった。学びを生かして、このオフで鍛え直して、たくましくなってシーズンを迎えたいです」

■木戸愛(QT7位)
「最後ちょっと悔しいボギーにはなってしまいましたが、来年につながる4日間だったと思います。いまは頭がいっぱいいっぱい。ゆっくりとオフの過ごし方と目標を考えたいです。レギュラーツアー優勝に向かって、精一杯頑張りたいです」

■脇元華(QT8位)
「ホッとしています。毎回思うけれど、QTには来たくない。来年は優勝だけを目指して。後悔のないようにオフを過ごして、開幕戦から暴れられるように頑張りたいです」

■小林夢果(QT9位)
「気持ち的には、いまホッとしています。前半戦は初めてなので多少緊張すると思うけれど、その中でも、ちゃんと予選通過をしてトップ10に入りたいです。安定するようなティショットと80ヤード以内をレベルアップできるように練習します」

■鶴岡果恋(QT12位)
「レギュラーツアーの4日間より、QTの4日間のほうが全然長く感じました。今シーズンの悪かった所を調整して挑んで結果も良かったので、もやもやは取れました。いつもギリギリなので、余裕をもって第1回リランキングを通って、フルシーズンをツアーで戦えたらいいなという気持ちです」

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