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22年パーオン率3位の岩井明愛 アイアン上手の共通点は「お尻と右ヒジが同じ位置」【女子初シードスイング解説】

右ヒジが低い位置に上がり、お尻のラインと重なる(撮影:佐々木啓)

3月2日の女子ツアー開幕に先がけ、22年に初シードを獲得した11人のスイングを飯島茜が解説。同時に今季の活躍を占う。今回は岩井ツインズの姉、明愛のアイアンショットを見ていこう。

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岩井明愛 いわい・あきえ
2002年7月5日生まれ 20歳 埼玉県出身 身長161センチ
メルセデス・ランキング40位 年間獲得賞金44位(3296万1500円)
22年シーズンの主な成績(北海道meijiカップ5位タイ、富士通レディース2位など)
ドライビングディスタンス6位 251.75ヤード
フェアウェイキープ率51位 67.0476%
パーオン率3位 73.8519%
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昨年10月の「富士通レディース」では、最終日に「65」の猛追をみせるも、古江彩佳の前に1打差で敗れて初優勝はならなかった。それでも山下美夢有、稲見萌寧に次ぐ、パーオン率3位のアイアンショットを武器に初シード獲得。トータルドライビング6位、ボールストライキング9位とショットの能力を示す数字はいずれも高い。

そのバックスイングはオーソドックス。ヘッドが腰の高さに上がったときのフェース面は上体の前傾と同じ角度を指し、そこから手首のコックを使いながら、ボールのやや内側をシャフトが指して上がっていく。「基本はボールを指すか内側。上げ方がとても上手です。ヘッドが腰の高さでフェースは多少閉じて見えるのが正解。グリップエンドをオヘソに着けて前傾したまま回ると、こうなります。お手本通りですね」。

そして、飯島はトップ・オブ・スイングのお尻と右ヒジの位置が、ショットの再現性の高さを表していると話す。「お尻と右ヒジの位置が同じラインに来て、低いところから戻してこられるから再現性が高い。筋力がないとここには収まりづらい。だから、女性は右ヒジの位置が高くなる傾向にあります。動画を撮ったときには、それが1つのチェックポイントになります」。
 
トップで右ヒジの位置が低く収まることで、お尻のラインと重なる。バックスイングのクラブの通り道と、ダウンスイングのクラブの通り道がほぼ同じ軌道を描くので、再現性が高くなるというわけだ。

ダウンスイングを見ていくと、注文通りにグリップエンドがボールを指して下りてくる。「手を使っていないということです。力んで上体が強い人はここから入ってこない。上体の力が抜けているからクラブはついてきているだけ」。しっかり体の回転で打つことで、クラブを下ろしていくスペースが生まれ、インパクトで手元が低い位置に下りてくる。「上手い人って手元がみんな低いんですよ。明愛さんもアドレスとインパクトの手元の高さがほとんど変わりませんよね。しっかり足を使って回転しているので手元が浮かないのです」。
 
ショットメーカーの要素を兼ね備えた明愛のスイングに、飯島は今年も活躍すると言い切る。「昨年の富士通では古江さんが、最後にとんでもないバーディを獲ったから、初優勝に届かなかった。そういう流れもありますよね。1個勝ったらずっと活躍していきそうです」。今月23日から始まる米国女子ツアー「ホンダLPGAタイランド」に出場する明愛と千怜の岩井姉妹のプレーに注目したい。
 
■飯島茜
いいじま・あかね 1983年7月11日生まれ。千葉県出身。05年のプロテストに一発合格すると、同年から12年連続でシード権をキープし、「日本女子プロゴルフ選手権」などツアー通算7勝を挙げた。現在はツアーの第一線を退き、東宝調布スポーツパークでアマチュアにレッスンを行ったり、YouTuberとしても活躍中。

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