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「私はここでなにをやってるんだろう…」 櫻井心那が地元メジャーで思い出した1年前のできごと

地元・長崎県でのメジャー大会に初めて出場する櫻井心那(撮影:福田文平)

<日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯 事前情報◇5日◇パサージュ琴海アイランドゴルフクラブ(長崎県)◇6755ヤード・パー72>

地元・長崎県で行われるメジャー大会を、心待ちにしていた櫻井心那。先週、北海道で行われた「ゴルフ5レディス」で今季3勝目を挙げ、最高の状態で“凱旋”を果たすことができた。「(反響は)初優勝の時は多かったけど、2勝目の時よりも多かったです。記録のことも言われました」。宮里藍、畑岡奈紗に続き10代で3勝目を挙げた史上3人目の選手になったことに対して、大きな祝福も受けたようだ。

幼少期から足しげく通い、高校の時は週1回、ボール拾いなどの手伝いをしながら練習してきた、このパサージュ琴海は、プロになった今も長崎滞在時には頻繁に回っている、まさにホームコース。前回、ここが選手権の舞台になった2015年には観戦にも訪れ、イ・ボミ(韓国)のプレーに熱中したことを覚えている。当時小学校6年生だった少女に「試合を見る度に、オーラがすごいなって。キラキラしていて、そういう世界に憧れがありました」ということを思わせた試合でもあった。

ルーキーイヤーだった昨年は、下部のステップ・アップ・ツアー年間最多記録を更新する5勝を挙げたが、レギュラーツアーへの出場はわずか5試合だった。それだけに、地元でのビッグトーナメントに出られるのか、そんな不安を感じていた時期もあったという。そして、その最中に起きた、こんなできごとが今も印象に残っている。

1年前、京都府の城陽カントリー倶楽部で行われた選手権。ここに櫻井は出場することができず、ちょうどパサージュ琴海で練習している時に、同学年で同期の川崎春花が優勝したことを知った。「14番を回っている時にスマホで(川崎優勝の速報を)見て、『すごいな』という気持ちと、『私はここでなにをやってるんだろう…』という気持ちになったことを思い出しました。追いつきたくても追いつけない状況で、ただただすごいなって」。だが今年は優勝候補のひとりとして、故郷に錦を飾ることができた。

そんな思い出がつまったコースは、自宅から車で40分ほど。「疲れはあるけど、家に帰れるのでしっかり休んでプレーできれば」と、コンディションを整えるための環境は充実している。目標を聞かれると、「優勝って言いたいけど、最初から気負うとよくないので、まずは楽しんでやりたいです」。余計なプレッシャーはかけずに開幕を迎えるつもりだ。

「(誰も)いなかったら悲しいです(笑)」。地元応援団のなかでプレーするイメージも、もちろん湧いている。あとは美しい景観を誇るコースで、キラキラ輝く舞台の中心に立つ姿を現実のものにしたい。(文・間宮輝憲)

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