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中島啓太の今年の漢字は“戦” 「1番強く持ちながらプレーしていました」

中島啓太の今年の漢字は『戦』(撮影:鈴木祥)

今季3勝、5度の2位を含めてトップ10の回数が17回と“最強”なゴルフを魅せた23歳の中島啓太が、2023年シーズンの賞金王に輝いた。そんな中島にこの一年を振り返ってもらい、漢字一文字で表してもらった。

選んだ漢字は『戦』。「1年間戦うっていう言葉をよくメディアのみなさんの前で言ったと思うんですけど、途中からは賞金争いで、金谷さんと一騎打ちというふうに周りの方にも言っていただいて。自分としては、もう金谷さんと戦うっていうところだけを意識しながら、中盤から終盤にかけてプレーしてきたので、『戦うぞ』っていう気持ちは1番強く持ちながらプレーしていました」と金谷拓実との激闘の一年を振り返る。

中島と賞金王争いを繰り広げた金谷は、「BMW 日本ゴルフツアー選手権」で今季1勝目を挙げ、8月末に行われた「フジサンケイクラシック」で2勝目を果たす。同大会まで賞金ランキング1位だった中島を抜いて、金谷がトップに立った。この時期から金谷と中島の賞金王争いが本格的に始まったのだ。ちなみに、今シーズンの金谷は19試合に出場して2回の優勝を含めてトップ10が13回と安定したゴルフを魅せている。まさに、中島との「一騎打ち」だった。

そんななか、11月に行われた「マイナビABCチャンピオンシップ」で中島が今季3勝目を挙げて優勝賞金2400万円を獲得。獲得賞金額を1億3526万179円まで伸ばし、金谷に約1952万円の差をつけてトップに返り咲いた。

優勝賞金4000万円のビッグマネーシーズンに突入すると、「三井住友VISA太平洋マスターズ」では、中島が20位タイ、金谷が3位タイ。「ダンロップフェニックス」で中島が2位タイ、金谷が37位タイ。ここで、約4033万円の差をつけていた中島が「カシオワールドオープン」で4位、金谷が7位タイで終え、中島の“賞金王”が確定した。そのとき中島は「金谷さんがいなかったら、自分もここまで粘れていないと思いますし、賞金王になれていたかわからない。金谷さんと賞金王争いができたことを本当にうれしく思います」と話していた。金谷との“戦い”が中島の一年を形作ったのだ。

「1年間すごく自分と向き合えたと思うので、いいときも悪いときも冷静に判断できると思います」と来年につながるシーズンになった。そんな中島の戦いはまだ終わっていない。来週、現地時間14日から4日間の日程で行われる米下部コーン・フェリーツアーの最終予選会(米フロリダ州・TPCソーグラス)を控えている。「まずは、来週のQTで来年のスケジュールはかなり変わってきます。集中力を保ったまま来週を迎えたいと思ってます」と意気込んだ。

来季、中島自身がテーマとするのは「調整を続けることは、やめたくないです。逃げることもしたくないので、どんどん挑戦していくような選手を目指してやりたいと思っています」と話した。2024年シーズンはどんな『戦』を魅せてくれるのか。プロとしてレギュラーツアーに挑んだ1年目に賞金王になった中島のこれからの活躍に注目していきたい。(文・高木彩音)

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