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プロ転向から半年 蝉川泰果が国内6戦目でプロ初優勝「期間は短いけど、長かった」

初タッグを組んだ清水重憲キャディ(右)の存在も大きかった。(撮影:福田文平)

<関西オープン 最終日◇16日◇泉ヶ丘カントリークラブ(大阪府)◇7051ヤード・パー71>

単独首位で出た蝉川泰果は5バーディ・1ボギー「67」で回り、2位に4打差をつけて逃げ切りV。プロとして初優勝を遂げた。「優勝できないんじゃないかと思っていたので、素直にうれしいです」と白い歯を見せた。

「期間でいうと短いですけど、自分の中では長かったですね」。昨年ツアー史上初の“アマ2勝”を挙げて10月31日にプロ転向し、国内ツアー6戦目でプロ初優勝。この半年間は苦しい時間だったという。

プロ2戦目となった昨年の「三井住友VISA太平洋マスターズ」では、2位に3打差をつけて最終日をスタートさせたが、最終日に「76」と崩して8位に終わり悔し涙を流した。新年を迎えると、欧米のツアーに積極的に参戦。海外5戦中予選通過は3試合で、欧州ツアー「シンガポールクラシック」の60位が最高成績だった。「なかなか調子が上がらず、思ったようなゴルフができない」状態が続いていた。

この4日間で意識したのは、「後悔がないように悩まない」ことだった。昨年大会のことが思い出される。アマチュアとして出場した蝉川は、3日目を終えて3位。優勝を狙える位置にいたが、最終日の7番パー4で1オンを狙ったティショットがOBでダブルボギーとするなど、「77」と崩して17位タイで終戦した。「昨年の7番は悩みながら打ってOBにしてしまった」と、レギュラーツアーで戦えるという自信をつけるとともに、悩みながら打たないことの大切さを学んでいた。

今週は、ティイングエリアでドライバーか刻むか迷ったら「刻み」を選択。また、グリーン上では、フックかスライスか悩む場面もかならず決め打ちすることを心がけた。「一打一打丁寧にあせらず、自分らしいプレーができた」と悩まないことの重要性を再確認して、後続にスキを見せずに勝ち切れたと胸を張る。

今大会はベテランの清水重憲キャディと初タッグを組んだ。これまでイ・ボミ(韓国)の賞金女王をサポートするなど、今大会で通算40回目の優勝に貢献した。ミスした時や好プレーには蝉川が前向きになれる声がけを行った。最終日は風が強く、ピン位置が難しいことを考慮。2番ホールでは「そんなにビッグスコアが出るような状況ではない。パーを重ねることが大事」と助言した。セーフティに攻めながら、チャンスが来たらバーディを獲る作戦を貫くなど、清水キャディの存在も大きかった。

今季国内2戦目でのプロ初優勝。「これを機にもっと勝ちたいです。年間複数回優勝をして、賞金王が目標です」と、今年は日本一を狙うときっぱりと話した。

ちなみに、アマ優勝を遂げた「パナソニックオープン」(小野東洋GC)、「日本オープン」(三甲GCジャパンC)はともに地元・兵庫で、今回のプロ初優勝はお隣の大阪府だ。関西地区に多いアップダウンがあり、タイトなコース形状。今コースもターゲットをしっかりと決めてボールを運ぶことが求められるホールは多かった。

OBがあったりフェアウェイが狭くても、ドライバーを使うと決めたら迷わず振り抜いてフェアウェイをキープする姿が印象的だった。「(泉ヶ丘CCは)国体予選で回っていたコースですが、それほど得意ではないです。(兵庫県で)育っているのも(関西のコースは)やりやすいのかなと思いますけど、関西だけっていわれないように、いろんなところで勝ちたいなと思います」。今度はどの地区で優勝を遂げるのか。

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