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吉田弓美子がリランキング突破に向け3位の好発進! 「私は今すごく怯えています(笑)」の理由は?

最終9番ホールでチップイン・バーディ締め(撮影:米山聡明)

<ニチレイレディス 初日◇16日◇袖ヶ浦カンツリークラブ・新袖コース(千葉県)◇6621ヤード・パー72>
 
「10年前に優勝してるコースですし、いいイメージは残っていますね」。2013年大会を制した吉田弓美子は、明るい表情でアテスト(スコア申告)に向かった。5つのバーディを奪い、ボギーはなし。首位と2打差の3位タイで“大会2勝目”を狙える位置についた。

決して万全のなか開幕を迎えられたわけではなかった。「火曜日の夜中からめまいがひどくて、あまり睡眠が取れなかった。それで水曜日の練習ラウンドを無しにしたので、だいぶ久しぶりの袖ヶ浦でした」。それでも、やはり特別なコースでは生き生きできるもの。ぶっつけ本番を感じさせないスコアをたたき出した。
 
ただ、「私は今すごく怯えています(笑)」と、苦い思い出も呼び起こすラウンドでもあった。4月「パナソニックオープンレディース」。首位で初日を終えながら、2日目に腰痛のために棄権した大会のことだ。「状況が一緒なんです。最終ホールでチップインして5アンダーにして、いい位置にいるみたいな」。この日の最終9番はグリーン奥から12ヤードほどから58度のウェッジでチップイン・バーディを奪った。「早く帰って休みます」という思いを強くする好プレーになった。
 
その腰痛は、今も万全ではない。練習をセーブし、スイングも軽めに。「軽く振ろうとするとどうしても緩んでしまうことが多い。緩まずにしっかりと体幹だけは意識しながら」。初日も右へショットが曲がるシーンもあったが、それをアプローチやパターでしのいでスコアを作った。ハリ治療なども施しながら、プレーを続けている。
 
QTランキング30位の資格で今シーズンを戦う吉田にとって、今週は大きな一戦となる。この大会後に第1回リランキングが行われるが、現在54位。ここで30位程度に入ると中盤戦以降のフル出場が可能になる見込みが立つため、大きくランクを上げる必要もある。「その話、出ちゃいますよね」というほど意識せずにはいられない。
 
ただ今はそこに惑わされずプレーに集中する。「ニチレイまでの出場権は、私が去年頑張って得たものだからちゃんと使い切りたかった。その後のことは、そこから考えればいいって。キャディさんにも『この後、どうなるかわからないよ』って言いました(笑)。『大丈夫』って言ってもらえたのでよかったです」。“有効期限”が延長できたら、そこからまた頑張るだけだ。
 
現在23.15ptの吉田が、ボーダーを越えるためには、現在30位につける若林舞衣子の78.77ptが最低ラインになる。その差は55.62pt。3日間大会では単独5位(60pt)が目指すべきところになる。このコースでは優勝だけでなく、18年大会の最終日17番でホールインワンも達成している。吉田にとって何かが起こるコースだ。「若い選手も同世代も先輩も、ここで結果を出すために身も心も削っている」。満身創痍のなか、しっかりと歩みを進めたい。(文・間宮輝憲)

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