• HOME
  • 記事
  • ゴルフ
  • 識西諭里を困惑させた“左へのショット”と“きまぐれな風” 不可解ダボでも消沈「絶対、奥にはいかないはず…」 

識西諭里を困惑させた“左へのショット”と“きまぐれな風” 不可解ダボでも消沈「絶対、奥にはいかないはず…」 

識西諭里は風にも苦しみ130位のスタート(撮影:ALBA)

<ISPS HANDA・ワールド招待 初日◇17日◇ガルゴルム・キャッスルGC、キャッスルロックGC(北アイルランド)◇6486ヤード・パー72、6231ヤード・パー73>

予選と決勝が行われるメインコースのガルゴルム・キャッスルGCでプレーした識西諭里は、「終始、自信を持って打てなかった」というショットと、吹く方向がコロコロと変わるきまぐれな風に翻ろうされた。

スタートは“これ以上ない”というものだった。10番パー5。フェアウェイから残り229ヤードを5番ウッドで打った2打目が、ピン手前10メートルにつき2オンに成功。すると続く上りのイーグルパットが、ほぼ真っすぐのラインに乗ってカップに吸い込まれる。「あれはラッキーでした」と本人も驚くプレーで、いきなり2つのアドバンテージを得た。

しかし、そこからなかなかショットが安定しない。続く11番ではティショットが左ラフに飛び込み、結果的にボギーを喫した。開幕前から「深いラフ」への警戒は口にしていたが、そこからではチャンスどころか、いかに軌道修正するかを考えるので精一杯という状況になる。「あまり球は曲がらないほうなんですけど…。ストレートに近いちょいドローという球筋ですが、きょうはドローが強かった。それを抑えようと思ったんですけど、修正できませんでした」。最終9番もセカンドを左の池に落としてボギーに。「あまり左には行かないんですけど」と首をかしげるミスが続いた。

そして風に惑わされたのは、前半の14番パー3。ピンまで147ヤードで、ティに立つと右からの強いアゲンストを感じたため、通常160ヤードの6番アイアンを選択した。しかし、その打球は大きくグリーンを越え、ラフのさらに奥にあるクリークに一直線。「絶対、奥には行かないはずなんですけど、ドローボールも相まって…。キャリーで入ったって聞きました。あそこを7番アイアンで打つ選択肢は、今もないですね」。グリーン付近に行ってみると、アゲンストだったり、ティでは感じられないフォローだったりと、気まぐれな風が吹いていた。

もう片方のキャッスルロックGCがリンクスなのに対し、ガルゴルム・キャッスルGCは林間コース。その他のホールでも、周囲を覆う木の“いたずら”もあり不規則な風が吹き続けた。そして、こういったミスのひとつひとつが自信を奪っていく。試合前は多くの選手が、地面が軟らかいガルゴルムで伸ばし、グリーンが硬く・速いキャッスルロックで耐える、という予想を立てていたが、長いラフで過ごす時間が多くなるとそうはいかない。

「とりあえずレンジにいきます」と、ラウンド後にはすぐさま打撃練習場に向かい、原因を探った。「パターは自分のなかで変えた部分があって感覚はまずまずだった。ショットが許容範囲になるように。あしたは全然違うゴルフ場なので切り替えて頑張ります」。2日目はリンクスに吹く風を“追い風”に、7オーバー・130位タイからの上昇を目指していく。(文・間宮輝憲)

関連記事