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後藤未有の曲げない独特動作 クラブが立つ浅いトップと、右肩が前に出るフォロー【女子初シードスイング解説】

今季は初優勝の期待がかかる(撮影:GettyImages)

3月2日の女子ツアー開幕に先がけ、22年に初シードを獲得した11人のスイングを飯島茜が解説。同時に今季の活躍を占う。今回は2000年生まれの福岡女子、後藤未有のドライバーショットを見ていこう。

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後藤未有 ごとう・みゆう
2000年9月29日生まれ 22歳 福岡県北九州市出身 157センチ
メルセデス・ランキング37位 年間獲得賞金34位(3744万1311円)
22年シーズンの主な成績(フジサンケイレディスクラシック3位タイ、ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ5位タイ、住友生命Vitalityレディス 東海クラシック3位など)
ライビングディスタンス55位 235.65ヤード
フェアウェイキープ率34位 70.4385%
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後藤のスイングの特徴はトップ・オブ・スイングのクラブのポジション。地面と平行か、少しヘッドが垂れる女子プロが多い中で、クラブが立った状態で切り返しに入っていく。「クラブは浅いところなのに、カラダはオーバースイングでもおかしくないくらいマックスに捻れている。だからインパクトの再現性が高いんです。珍しいタイプですね」と、飯島はトップのクラブのポジションと体の捻転のギャップに驚く。

体が深く捻れているのにも関わらず、体重を右股関節でしっかり受け止め、「壁があるのかと思うくらい耐えている」と飯島は見る。

ダウンスイングからフォローにかけても、後藤独特のアクションが入る。右ヒジを右ワキにつけて下ろしていき、一見して振り遅れのような形から大きなフォローで飛ばす。「右ヒジを体の正面ではなく横につけて下ろすと、回転が詰まりやすいのですが、腰は動き続けて右肩を前に出していく。それが彼女の良いところです」。体の回転が止まって手を使えば、たちまち曲がる原因になるが、後藤は手首の角度をキープしたまま体の回転でフォローを出すので、フェース面の向きが変わらないのだ。
 
アマチュアの場合、ボールに当てにいこうとして、どうしてもインパクトで腰の回転が止まりがち。回転を止めないためにはどうしたらいいのだろうか?
 
「後藤さんのように、これだけ体を右に残して振ろうとすると、普通は左ヒジが引けてしまいます。真似はできません。インパクトで止まってしまう人は、アドレスで左ツマ先を開いてオープンにすればいいと思います。プロは股関節がやわらかいから閉じていても回れる。股関節を硬い人は無理なので、左ツマ先を開くのはアリです」。股関節に自信がない人は、『左ツマ先だけオープン』を試してみよう。
 
■飯島茜
いいじま・あかね 1983年7月11日生まれ。千葉県出身。05年のプロテストに一発合格すると、同年から12年連続でシード権をキープし、「日本女子プロゴルフ選手権」などツアー通算7勝を挙げた。現在はツアーの第一線を退き、東宝調布スポーツパークでアマチュアにレッスンを行ったり、YouTuberとしても活躍中。

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