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“スロープレー排除”の徹底を宣言「ペナルティを科すことも…」 日本女子OPがスムーズな進行のためにJGAが取り組む具体的方策を説明

シーサイドコースが舞台の今年 日没回避なるか(撮影:佐々木啓)

<日本女子オープン 事前情報◇27日◇芦原ゴルフクラブ 海コース(福井県)◇6528ヤード・パー72>

開幕前日の27日、大会のゼネラルプロデューサー・戸張捷氏と、コースセッティングコミッティ チェアマンの山中博史氏による『JGAコースセッティング会見』が行われた。そこでは、競技進行やプレースピードに関する話題も挙がった。

日没が早くなる秋開催のナショナルオープンは、コースセッティングの難解さなども影響し、中断などがないにも関わらず日没順延との戦いを迫られることが、例年問題視されている。最終的に勝みなみの優勝スコアが3アンダーで、アンダーパーがわずか2人だった昨年大会も、予選ラウンドが2日間とも日没ギリギリとなり、主催の日本ゴルフ協会(JGA)が説明を求められたほどだった。

そこで戸張氏は、今年は「最終組が日没と競争するのを避ける」ための方策をいくつか打ち出した。そのひとつがスタートの間隔。昨年までは組と組の間が9分間隔だったが、それを今年は10分間隔に。コース内での詰まりを解消するための取り組みとなる。「吉と出るか凶と出るか」と戸張氏がいうほど試験的ではあるが、午前7時に最初の組がスタートし、スムーズな進行でプレー時間の短縮を目指す。

また山中氏は、「今回は12名のレフェリーと、JLPGA(日本女子プロゴルフ協会)からもレフェリーがくる。選手に声かけしながら、レフェリーには全体の進行をうまくやってもらう。早め早めに声をかけていきたい」とスロープレーにも厳しく対応することを宣言する。「タイミングは難しいけど、明らかに組の1人が遅ければその人だけに声をかけるとか、ペナルティを科すこともできる」と徹底するつもりだ。

とはいえ、会場は日本海がすぐ隣にあるシーサイドコース。開幕前にはそこまで吹かなかった強風が、突然吹くことも想定できる。「進行(のスピード)があがらない。まさに時間との戦い」とそうなった場合には遅れも覚悟しており、コンディションに合わせた対応も課題となる。

また日程をずらすことについての質問に対し戸張氏は、「本当は(日が長い)6~7月に移したい」という本音も吐露。ただ女子ツアーはここ数年、シーズン中の空き週がわずか1週と「スケジュールがパンパン」。そのため日本女子オープンだけを動かすことは困難といえる。これに加え、海外メジャーの開催タイミングも考える必要があり、議題にあがっても「なかなか動ききれない」という実状も説明された。

今年も120人が出場。予選会を通過したのは68名で、アマチュアも26名がこの芝を踏む。「アップダウンもあり小さいグリーンが特徴。打ち上げのセカンドもある。縦の距離感を間違えるととんでもないことになる」と山中氏は、コースについても説明する。また海から風を吹き込ませスリリングな展開にすることなどを理由に、6000~7000本の木も伐採した。18番グリーンなどからの景色は確かに絶景といえる。

戸張氏は「このまま天候がうまく進むと2ケタ届くか届かないか。ピン位置や、風が吹くか吹かないかによって0(イーブン)から9アンダーで動くと思う」と優勝スコアを想定。「フェアウェイに置けて、セカンドの距離が合う選手が上にいく」とショットメーカー有利という考えも示した。あとは選手が全力を出すための“環境作り”をいかにするか。そんな課題も抱えながら、あす開幕を迎える。(文・間宮輝憲)

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