こだわりの強い石川遼が選んだ新ウェッジ<JAWS FORGED> 150ヤード以内の新兵器「打感がよく2~3ヤード刻みのコントロールができる」
<関西オープン 事前情報◇11日◇泉ヶ丘カントリークラブ(大阪府)◇7051ヤード・パー71>
今週は国内男子ツアー2戦目の「関西オープン」が開催される。スイング改造4年目の石川遼は開幕戦の「東建ホームメイトカップ」でグリーン上に苦戦しながらも優勝争いを演じて3位タイ。4日間の戦いを振り返ると「グリーンのタッチが合っていなくても優勝争いできて、ショットが良くなってきている」と、体に染みついた新スイングの成果が出たと話し、今週も優勝争いを目指す。
関西オープンに向けても「大きな修正はない」とスイングは落ち着いていることを強調した。スイングはこの3年同じことを続けているが、開幕戦のキャディバッグの中身は昨年3年ぶりに優勝を挙げた「三井住友VISA太平洋マスターズ」からガラリと替わった。<APEX UW>の19度以外は総入れ替え。スイングやマネジメントに合わせた“新戦力”も今年の大きな武器となりそうだ。
新戦力の顔ぶれを見るとドライバーと3番ウッドは新モデルの「パラダイム」で揃え、アイアンは約3年ぶりに<APEX MBアイアン>とマッスルバックを投入している。
今や石川遼の代名詞となった5本ウェッジは今年も続行。昨年から9番アイアンの代わりに43度のウェッジを入れ、48度、52度、56度、58度と5本で構成しているが、こちらもすべて軟鉄鍛造の新モデル<JAWS FORGEDウェッジ>になった。
かつては7年も同じモデルを使用するなど、ウェッジに強いこだわりを持つ石川がきれいに入れ替えた。「生溝と軟鉄鍛造の融合が、極上の打感とパフォーマンスをもたらす」がキャロウェイのうたい文句。オフからテストを重ねた石川は、「新しいJAWS FORGEDは打感がいい。ほんとにフェースに食いつきやすいなって感じですね」と、メーカーの狙い通りの打感の柔らかさが気に入ったという。
打感の柔らかさはどんなメリットがあるのか。「ウェッジは技術的には1つの番手で2~3ヤード刻みでは打ち分けたい。例えば100ヤードと103ヤードでは打ち方を変えています。フェースの食いつきがいいと、出球やスピン量などそのコントロールがしやすくなります」。フェースやソールの形状に加えて、好みの打感のモノであれば100ヤード先でも2~3ヤードの距離の打ち分けを可能にできるという。
ウェッジ5本体制にしている理由は、43度以下のウェッジを持つ「140~150ヤード以内はピンを狙いたい」という表れ。日本ツアーであればパー4でもっとも残る距離である。自信のあるウェッジ形状を増やすことで、イメージ的にもよりその精度を高められる。開幕戦でも5本ウェッジでしっかりチャンスメークしてバーディ量産につなげていた。
石川のウェッジの距離の階段はこうだ。43度のウェッジはキャリー145ヤードが基準。同じ力感でスイングしたときに48度は132ヤード、52度は117ヤード、56度が103ヤードで58度が97ヤードとなる。力感や打ち方を変えてその間の1~2ヤードの細かい距離感を出していく。そのためには打感の柔らかさ、食いつきの良さが欠かせないという。
また、新モデルのウェッジは石川仕様で特別に全面ノンメッキに仕上げている。「ノンメッキにすることで“ウェッジ感”が出るので、マッスルバックのアイアンと見た目で差別化できます。ピンを攻めていけるような意識を、イメージを出して行ける見た目にしてもらいました」。特別に手が施されたタイプを使用している。
ちなみに、一昨年からウェッジの一番下は60度にしていたが、今年から58度に変えた。「56度の(中途半端な距離の)アプローチの距離感がまちまちでした。60度のウェッジはフワッと上げるのは楽なんですけど、それよりも得意なレンジを活かそうと思って」と中途半端な距離からよりピンに絡めるために、体に染みついた距離感のある58度のロフト角に戻した形になる。
開幕戦では実戦の中で芝の上からの距離感をつかみつつあった。今大会も最も多く残ると思われる150ヤード以内はまさに新「JAWS FORGED」の距離だ。この5本のウェッジで2008年以来の大会2勝目を手繰り寄せるか注目だ。
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