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「正直もう少し苦戦するかな…」 渋野日向子が日本で振り返った米国での“1カ月半”

渋野日向子が今季国内ツアー初戦を迎える 果たして今の状態は?  (撮影:佐々木啓)

<ブリヂストンレディスオープン 事前情報◇17日◇中京ゴルフ倶楽部 石野コース(愛知県)◇6573ヤード・パー71>

渋野日向子が、約2カ月ぶりに日本に戻り、あすから今季の国内初戦に臨む。コースで会った選手たちと笑顔でハイタッチするシーンや、楽し気に話す姿も見られる。「ひさびさに会う選手だったり、いろんな人に会えたのはうれしいですね」と、その声は明るい。ただ米国での試合と同様に今週も左手にはテーピングが見られる。帰国後は治療もしていたというが、「元気です!」と心配の声を吹き飛ばした。

今月上旬に行われた米ツアーの国別対抗戦「ハンファ・ライフプラス インターナショナル・クラウン」を終えて一時帰国。そこからは「家でぐーたら」して過ごしたと明かす。姉と買い物に行くなどリフレッシュも。実家にいる愛犬の朔(さく)も「覚えててくれた!手足をバタバタしてくれて(笑)」と癒しになったようだ。一方でゴルフ面については「自分の記憶を振り返りました。この2年間アメリカでやってきたことを、去年の自分と比べたりして」と、頭のなかで整理を続けた。指導を受ける青木翔コーチにも「一度も見てもらっていない。ゆっくりしていました」と、とにかく米国生活での疲れを抜く時間にあてたことがうかがえる。

「正直、もう少し苦戦するかなと思ったけど、今のところ全試合(予選も)通って、なんとか戦えていることは予想していなかった」と、3月からの自身の“記憶”を振り返る。2月下旬からのアジア2連戦は予選落ちがない大会だったため、3月下旬から出場した米本土での試合が“本格的な開幕”ともいえた。そこからの5試合はメジャー大会「シェブロン選手権」を含み、すべて決勝ラウンドを戦った。「LPGAドライブオン選手権」では7位に入るなど、「ここ最近はビックスコアを出せる状況ではなかったですが、耐えるゴルフができていたかな」と、一定の評価を与えている。

左手の影響もあり練習量が減っていることも米国では明かしていたが、そのなかでアプローチやパターで耐えてきたのがこの期間の話。もともと持ち球がドローの渋野は、現象として現在フェードの球が出ているが、それについては「打ちたくて打ってるわけではないけど、スイングを変える過程でそれは仕方ないと青木さんにも言われているし、今はそれを利用している」とも話す。目指しているのはストレートに近いドローボールで、それを打てるよう試行錯誤を続けるが、現時点では「まだ半分くらいかな。無理にドローを打とうとするとスイングが崩れる」と割り切ってプレーしている。

今週のコースは6573ヤードのパー71とあって、距離が長く感じられるホールも点在。「グリーンがめちゃくちゃキレイで、周りのラフが難しい。グリーンも(ピンと)同じ面に乗せないと。アイアンの精度が重要」と見ている。「耐えるゴルフができているからプラスに考えている」という米国でのプレーもそのまま生きてきそうだ。

照準にしているのは、「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」(6月22日~)、「全米女子オープン」(7月6日~)、「アムンディ エビアン・チャンピオンシップ」(7月27日~)、「AIG女子オープン」(8月10日~)と今後続いていく4つのメジャー大会。そこに合わせて、スイング面などもさらに磨き上げていく。「去年忘れかけていた、『もっと強くなりたい』という気持ちを思い出した」という熱い気持ちでゴルフにも向き合えている。

「アメリカは日本ほどギャラリーが多いわけではないし、全然違いますね。鳥肌が立つくらいの緊張感があります」。ひさしぶりに渋野のプレーを見る日本のファンもその姿を楽しみにしているだろうが、渋野自身も“ホーム”で戦うことにワクワク。笑顔で、あす1番ティに向かっていく。

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