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これがUSGAの本気?まるで30年前の全米オープン 平均ストローク『77.32』に名手たちも大苦戦

思わず天を仰ぐ日本勢の藤田寛之。選手たちの喜怒哀楽が詰まった4日間になりそうだ(撮影:ALBA)

<全米シニアオープン 初日◇29日◇セントリーワールド(米ウィスコンシン州)◇7218ヤード・パー71>

全米ゴルフ協会(USGA)が本気を出した。優勝スコアは4日間通算でイーブンパー前後、なんならオーバーパーの戦いも当たり前というのは一昔前のことだったが、今回はシニアの大会で、伝統をしっかりと受け継いだ。

開幕前から各選手が難しいと口をそろえていたが、いざ蓋を開けてみても、まさしくその通りだった。USGAも「こうあるべき」と胸を張るほど、伝統的なナショナルオープンのコースセッティングが選手を苦しめる。「かつて30年前にプレーした全米オープンのようなコースだった」とは2015年大会覇者のジェフ・マガート(米国)。「フェアウェイとグリーンを捉えること。それしか求めない。バーディのことなんて考えられない」と、とにかくガマン比べの展開だ。

初日をボギーフリーで回った選手は『ゼロ』。02、04年の「全米オープン」覇者、レティーフ・グーセン(南アフリカ)は4人しかいないアンダーパー(1アンダー・2位タイ)で回りきったが、「フェアウェイを外したら何もできない」と警戒マックス。今季シニアメジャー2連勝中で地元のスティーブ・ストリッカー(米国)は「(優勝は)イーブンパー前後だろう。ここは攻めてはいけない」と、ひたすら守りの姿勢でパー作戦を実行していく。

2日目を終えて60位タイまでが決勝ラウンドに進出するが、このままいけばトータル8オーバー前後という予想も立てられている。初日は風が比較的穏やかだったが、ハウスキャディによれば、風が吹けばさらに難易度は急上昇するという。史上稀に見る過酷なシニアメジャー。残り3日も選手の苦しむ顔が容易に思い浮かぶ。(文・高桑均)

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