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『プラチナ世代』安田祐香が悲願の初V “姉貴”青木瀬令奈は「本人が1番しんどい思いを…」

青木瀬令奈とともにカップを掲げる安田祐香(撮影:上山敬太)

<ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン 最終日◇22日◇利府ゴルフ倶楽部(宮城県)◇6638ヤード・パー72>

“プラチナ世代”の安田祐香が悲願の初優勝を挙げた「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」。アマチュア時代から注目を浴びてきた“ヒロイン”がついに栄冠を手にした。関係者から安田の素顔に迫る。

最終18番、優勝を決めたあとにハグを交わし優勝の喜びを分かち合った母親の美香さん。プロ転向後、全試合に帯同しサポート。娘のために毎日手作りのおにぎりを握り続けた。「本当にうれしい。この時を待っていた」と、歓喜の涙を流す。

子供のころから性格は至って“真面目”。「全然キャピキャピしていない(笑)。失敗もないし、宿題をぜんぶ済ませてから遊ぶ子だった。私とは正反対です」。

プロ入り後から5年間、勝てない時期が続き周囲からいわれのない言葉を投げられるときもあった。「主人とともにこういうのは誰にでもあるから、そういうのは気にせず、乗り越えていって欲しいと言っていた。そういうのもバネになったのかな」。つらい時期も家族で乗り越えた。

そして、プライベートでも親交が深い“姉貴”的な存在の青木瀬令奈も18番で安田の優勝を見守った。「優勝おめでとう、お疲れ様とまずは声をかけました。改めて、勇気をもらいましたね」。

2人はオフの沖縄合宿やシーズン中には野球観戦をともにするなど、青木は7歳年下の安田を“妹”のように気にかけている。安田の同世代に国内ツアーで複数回優勝を果たし、米国に主戦場を移した古江彩佳、西村優菜、吉田優利らがいる。そのような状況を自身の過去と重ね合わせていた。

「私の場合も成田美寿々や堀奈津佳が先に優勝して、下部ツアーで戦っている時期が長かった。彼女の場合も同世代が海外で活躍するなかで自分だけが勝てないというのは、口にはださないけど、周りが思っているより本人が一番しんどい思いをしているはず。本人の頑張りが実って本当に良かったなと思います」。

青木のキャディ兼コーチを務める大西翔太氏も日頃から安田を気にかけている1人だ。「もう鳥肌が立ちましたし、今年で一番感情が高まりましたね。君ならできるとずっと言い続けてきたので、それが形になったので本当にうれしい」。

大西氏と安田は直接コーチ契約を結んでいる訳ではないが、セカンドオピニオン的な立場で、普段からアドバイスを送っている。「彼女はショット力が高いですね。ドローボール一辺倒なのですけど、出球をちょっと右に出して、ピンデッドに狙うことを徹底しているので。その技術力は安田祐香にしか持っていない技術だと思います」。

さらに今後の安田については、「この1勝で流れに乗っていけると思うので、すぐに2勝目、3勝目を挙げると思います。これからもっと技術の高いゴルフをするのではないかなと思います」と、期待を込めた。(文・神吉孝昌)

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