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ルーキーもQTで明暗 “ダイヤモンド世代”吉澤柚月は「プロ初めての試合が沖縄だとうれしい」

来季前半戦の出場権をつかんだ吉澤柚月(左)と菅楓華(撮影:福田文平)

<JLPGA ファイナルQT 最終日◇1日◇葛城ゴルフ倶楽部宇刈コース(静岡県)◇6421ヤード・パー72>

11月に行われた最終プロテストに21人が合格。そのうち、ファイナルステージから出場する権利が与えられたトップ合格の清本美波らを含むルーキー12人が、来季レギュラーツアーの前半戦出場権をかけてファイナルQTに参加した。

2013年の藤田光里以来となるルーキーでのトップ通過を飾った宋佳銀(ソン・ガウン、韓国)や、宮崎出身の現役高校3年生・菅楓華(すが・ふうか)が5位と上位でQTを突破。“遅れてきた黄金世代”高木優奈も15位に入り、出場権を勝ち取った。

トータルイーブンの24位で通過したのは小西瑞穂。こちらも黄金世代のひとりで、今年4回目のプロテスト受験で合格を果たした。ファイナルQTでは東北福祉大時代にナショナルチームメンバーとして長年活躍し、現在は国内男子ツアーでプレーしている兄・健太にバッグを預け、兄妹で力を合わせてつかみ切った。

初日は「73」の滑り出しだったが、2日目に「77」を叩いて72位まで後退した。前半戦フル出場権が与えられる目安の35位までに、かなりのビハインドを食らって黄信号が灯った。「この位置なら(レギュラーの)試合には出られない」。ボーダーラインを突破できなければ、小西にとっては72位も100位も同じ…。ここまでくれば「(スコアが)いいか、悪いか。攻める」と吹っ切った気持ちとともに、残り2日は攻めのゴルフに転じた。

ショートしがちだったショットでは番手を1つ上げるようにし、下りのパットを怖がらずに果敢にピンを狙った。すると3日目から「68」、「70」とアンダーで回り、逆転に成功。無事に切符を獲得した。

来年からは全国転戦が始まる。「各地の美味しいご飯が楽しみ」で、特に好きなものは地鶏。そんな期待に胸を弾ませながら、「まずはシードを取れるように頑張りたいけれど、それだけじゃなくてツアー優勝ができるように、冬に鍛え直して乗りこんでいきたい」と休む暇もなく、目標に向かって汗を流すオフが近づいている。

稲見萌寧に憧れを抱く吉澤柚月(ゆづき)もQTランク29位に入った。35位を意識してしまえばそれを逃してしまう…と考え、「20位以内」を目標にしていただけに、「悔しいですね。沖縄に行けるんですかね…」とまだ心配な面もあるという。それでも、例年通りであれば、開幕戦から出場できる見込み。「プロテストの前から沖縄に出るいうのは目指していた。プロになって初めての試合が沖縄の開幕戦だとうれしい」と心待ちにする。

人生一度切りの新人戦や新人セミナーなど、忙しい12月が待っているが、憧れていた舞台で成績を残すためにもオフでさらに技術を磨きたい。「この4日間がわたしに課題を与えてくれた。それをひとつずつ潰していきたいです」と目標へと進んでいく。

■ソン・ガウン(QT1位)
「いろんなツアーを経験、挑戦したいという気持ちで日本にきました。(トップ通過は)予想していませんでした。沖縄に行く気持ちは120%まで盛り上がっています。(出場試合を)正確にいまはお知らせできませんが、機会があればたくさん出場したいです」

■菅楓華(QT5位)
「通過点はクリアできた。これからはまず予選を通らないと賞金ももらえない。まずは予選通過だけを考えて、全試合予選通過する気持ちで挑みたいです。いい流れで来ているので(新人戦で)優勝は目指したいけれど、一度しかないので楽しみたい。崩れることなくずっと優勝争いができて、誰からも応援されるプロゴルファーになりたいです」

■高木優奈(QT15位)
「プロテストに比べたら何も緊張しなかったので、ひたすら4日間楽しかったです。どんな結果でも試合に出られると思ったらそれだけで良かったけれど、やっぱりレギュラーに出たいという気持ちが強くあった。いい成績かといわれたらそうではないかもしれないけれど、悪いなりにもまとめてこれたのは良かったです」

■上久保実咲(QT60位)
「悔しいです。特に3日目がもったいなかった。このQTの結果を踏まえて、来年をどう過ごすかというのをしっかり考えたいと思います」

【今年のプロテスト合格者たちのファイナルQT成績】
1位:ソン・ガウン(-9)
5位:菅楓華(-6)
15位:高木優奈(-2)
24位:小西瑞穂(E)
29位:吉澤柚月(E)
46位:ベイブ・リュウ(+2)
54位:石田可南子(+4)
60位:上久保実咲(+5)
72位:河村来未(+7)
80位:與語優奈(+10)
95位:本明夏(+16)
101位:清本美波(+19)

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