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コースは同じでも…石川遼が感じた世界基準のセッティング「フェアウェイの刈り高が短い」

世界基準のセッティングに挑む石川遼。欧州の強豪たちといざ勝負だ。(撮影:佐々木啓)

<ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント! 事前情報◇19日◇PGM石岡ゴルフクラブ(茨城県)◇7039ヤード・パー70>

日本ゴルフツアー機構(JGTO)との共催で、初めてDPワールドツアー(欧州ツアー)が日本で開催される。開幕前日の取材で石川遼は「世界につながっていく大きなチャンスを日本の選手たちがもらえるということで、素晴らしい機会だと思います。僕自身もすごく刺激を受ける一週間になる」と話した。

昨年は新型コロナウイルスへの対策として入国者は『3日間の隔離』が必要だったため、JGTOの単独開催となったが、ようやく今年、欧州ツアーとの共同開催が実現。コースは同じだが、セッティングは欧州ツアーのエディ・アダムス氏が務めており、フェアウェイやラフの芝の長さや、フェアウェイの幅を決めている。

昨年は533ヤードのパー5だった2番ホールが、今年は501ヤードのパー4に。それに伴って、コースは7071ヤードのパー71から、7039ヤードのパー70に変更された。ピンポジションに関しては、アウトの9ホールがJGTO、インの9ホールは欧州ツアーが担当する。

火曜日に練習ラウンドを行い、きょうはプロアマで18ホールを回った石川遼も昨年とのコースの違いを感じとった。「グリーンはこの時期の中では非常に刈り高が短いなと思いますし、フェアウェイの刈り高も短い。フェアウェイとラフの差がさらにはっきり出る」という。

そして、フェアウェイを短く刈ることで、ショットの難易度も変わると考えている。「日本の芝で日本の刈り高だともうちょっと長いので、ボールが浮く。ヘッドが手前から入っても滑ってくれるので、特にフェウェイウッドが打ちやすくなる」というが、今回のように芝が刈られている場合、「ボールが浮きすぎることがない。アイアンのコンタクトも求められる。ヨーロッパ基準とか世界基準だと思ってきょうはラウンドしていました」と興奮気味だ。

すべてのコースというわけではないが、欧州や米国の芝では、フェアウェイでも少しボールが沈むため、シビアなコンタクト要求されることが多い。そのうえで、「グリーンも速いですし、よりこのコースの良さが引き出せるセッティングになっていると思います」と話す。

前回大会はスイング改造の影響からアイアンの方向性も距離感もまったく合わず、バーディ合戦にまったくついていけないまま予選落ち。右の林がせりだして、やや右にドッグレッグしている7番パー4は、ティショットでフェードを打ちたくなるホールだが、石川はスイングを固めるためにドローだけでコースを戦った。

今年に関しては「ドライバーからウェッジまで状況に応じて打ち分ける。ドローのイメージが出なければ、一番イメージが出るショットにする」と、昨年とは違うプランを考えている。そのうえで、「初日、トップの人は7アンダーくらいは出るんじゃないかな。自分としては3アンダーとか4アンダーを1個の目標としている」という。

今大会に勝てば、欧州ツアーの今季の残りの試合と、2年間のフル参戦のシード権が得られる。そのシードについては「行使しないことは考えられない。高いレベルでできるチャンスがあるなら、高いレベルで絶対にやりたい」と石川。さらに、欧州ツアーのポイントランキングで上位10位に入れば、石川が目指す世界最高峰の米国男子ツアーの出場権につながっていく。昨年は惨敗した試合で、3年以上信じて取り組んできたスイング改造の成果が試される。(文・下村耕平)

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