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「元々球が高かった」 櫻井心那、持ち味の“飛距離性能”を引き出す1Wで“ぶっ飛び初V”【勝者のギア】

櫻井心那を優勝に導いた14本は?(撮影:佐々木啓、ALBA)

<資生堂 レディスオープン 最終日◇2日◇戸塚カントリー倶楽部(神奈川県)◇6605ヤード・パー72>

トータル10アンダーで並んでホールアウトした19歳の櫻井心那と20歳の桑木志帆。勝敗の行方はプレーオフ(18番パー4)にまでもつれこみ、その2ホール目でバーディを奪った櫻井がツアー初優勝を果たした。本人も「なんか、めっちゃ飛んでました(笑)。本当ドキドキしてたんで、迷いなく振ろうと思った結果ですかね。ドライバーが1週間通してすごく良くて、飛距離も出てた。それでセカンドが短い距離でいい位置から短い番手で打てたことは勝因だと思います」と話す。

元来、飛ばし屋。4日間の平均252.88ヤードは川岸史果に次ぐ全体2位で、シーズン通じてのドライビングディスタンスも254.30ヤードの5位につけている。そしてドライバーは、その能力を十分に発揮できるスペックを使用している。

「元々球がすごく高くて、アゲンストにもあまり強くない球だった。それでロフトを8.5°にして、LSでロースピンにして球の高さを抑えています」。より無駄なく前へ飛ばすために『スリクソン ZX 5 MK II LS』を握っている。「繊細な方ではないので」と、クラブを替えることにも「全然抵抗はない」という。

例えば18番の着弾地点には、フェアウェイ右にキャリー260ヤードでようやく越すことができるバンカーがある。櫻井も「打ちづらい」と話していたが、正規の18番から3度続けてそれをキャリーで越えていった。重圧が増すにつれ鋭いスイングでその距離を伸ばしたようにも見えた。特にトレーニングは「やってないです」とのことだが、道具のほかに考えられる飛ばしの理由について、本人はこう分析している。

「フォローの振り抜く方向がアウトにならないよう、インサイドに低い位置に振り抜くこと。あとは早くなったり、遅くなったりしないように、タイミングを意識して。飛ばそうとか力が入った時はダメ。しっかりとテークバックや、トップの位置でタイミングを取って、左に振り抜くというイメージを、今は大事にしています」

また4日間活躍したクラブについて聞かれると、ドライバーに加えてパターを挙げた。「最後の(プレーオフ2ホール目のパット)もそうだし、正規ラウンドの18番もですが、昨日もバーディが獲れたところは結構パターで獲っていた。なのでパターかなと思いました」。トラスパターで、最後は下りのしびれる3メートルを沈めウイニングパットにした。

「飛距離はすごく自信にしてるところもあるので、その他を完璧にしたら、いいゴルフができるという想像もしている。100ヤード以内がピタッとくるような上手いゴルファー、選手になりたい。将来的には小技、100ヤード以内とアプローチや、ウッド系の精度も上げていきたい」。海外挑戦も見据える伸び盛りの19歳は初優勝しても課題を口にし、さらなる飛躍を誓っていた。

【櫻井心那の優勝セッティング】
1W:スリクソン ZX5 MK II LS(8.5°ディアマナGT 60S 45.25㌅)
3W:スリクソン ZX5 MK II(15°)
3,4U:スリクソン ZX MK II(18,22°)
5I~PW:スリクソン ZX5
46,52°:クリーブランド RTX6 MID
58°:クリーブランド RTX FULL-FACE
PT:テーラーメイド TPハイドロブラストJUNO TB1
BALL:スリクソンZ-STAR◆

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