全米オープン今週開幕でも、話題はLIVゴルフに集中

公式会見をおこなった、前年の覇者マシュー・フィッツパトリック(撮影:GettyImages)

<全米オープン 事前情報◇13日◇ザ・ロサンゼルスCC ノースC(米カリフォルニア州)◇7421ヤード・パー70>
 
今季メジャー第3戦「全米オープン」がカリフォルニア州ロサンゼルスのロサンゼルス・カントリー・クラブで今週いよいよ開幕する。公式練習日となった12日(月)は前年覇者のマシュー・フィッツパトリック(イングランド)、昨年全英オープン覇者で現在はLIVゴルフでプレーするキャメロン・スミス(オーストラリア)が公式会見を行った。

ロサンゼルス市で「全米オープン」が開催されるのは1948年以来75年ぶり、ロサンゼルス・カントリー・クラブでの開催は初と話題満載なのだが、記者の質問はやはり「LIVゴルフ」などの話題に集中した。
 
PGAツアー、DPワールド(欧州)ツアーが手を組み新会社を設立し、来季からはパートナーシップをとる。そのためLIVゴルフはどうなるのか、LIVゴルフの選手はPGAツアーに戻れるのか、会見の中での質問は統合問題に終始した。
 
練習ラウンド後に会見したスミスは「正直に言って、君たち(メディア)が知っているのと同じことしか知らない」とし、「ほとんど何も知らされていないが、ことが進む間に少しずつ知ることになるだろう」と話した。
 
ただ何も聞かされていなかったスミスは、「PIF」の代表、ヤシル・アル・ルマヤン氏とPGAツアーのジェイ・モナハン会長がCNBC放送で並んで会見しているのを見て「ジョークかと思った」という。
 
その後ルマヤン氏から連絡があり、「現在何が起きているか説明しようとしていたが、そんなにもたくさん説明できなかった。まだ多くのことが決まっていない状態。双方のツアーの選手が、今後に不安を持っている」と明かしたが、その表情は明るかった。
 
フィッツパトリックは「とにかく混乱している」と言い、「昨年もLIVゴルフが開幕したばかりでその話題が占めた。ことしもまたLIVゴルフで混乱している」と、悩ましい表情を見せた。そして「今、何か起きているのか、誰も正確な情報を持っていない。これから何が起こるのか、だれも分からないということだけは明確だ」と話した。(文・武川玲子=米国在住

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