3カ月ぶり予選通過に優勝争い 渋野日向子が振り返る欧州での3週間「少しずつよくなってきているのに…」
<AIG女子オープン 2日目◇11日◇ウォルトン・ヒースGC(イングランド)◇6881ヤード・パー72>
歴代覇者として戦った自身5度目の全英女子で予選落ちに終わった渋野日向子。これで欧州3連戦が終わり、次は1週間の休みを挟んでカナダで行われる「CPKC女子オープン」(8月24日~)への出場を予定している。ラウンド後には、感情の起伏に富んだこの3週間を振り返った。
「エビアンでは耐えて予選を通過して3カ月ぶりに決勝ラウンドに臨めた。先週はいいゴルフもしたけど最終的には崩れてしまって。少しずつよくなってきていると自分のなかで思っていたものを、大事な試合で発揮できなかったのは残念」
“欧州初戦”としてプレーしたのはフランス。今季4試合目のメジャー大会「アムンディ・エビアン選手権」に出場した。この前までは、故障した左手の影響もあり日米で5試合連続予選落ちを喫していたが、4月末の「JMイーグル・LA選手権」以来となる決勝ラウンドを戦った。59位という結果に終わったが、4日間プレーすることで課題も得られる一週間を過ごすことができた。
そして翌週は、英国に移動。スコットランドで行われた「フリードグループ・スコティッシュ女子オープン」に出た。ここでは、初日に「64」とビッグスコアを出し単独トップに立つと、2日目も「68」と連日の60台で首位のまま決勝ラウンドに進んだ。しかし3日目に「77」と失速。結果は16位に甘んじることになったが、復調ムードを感じさせる試合だった。
しかし今週は「ここは特別な大会」と話した全英で、悔しさに打ちひしがれることになる。「距離感も合ってなかったですし、微妙な距離もなかなか入らなかった」。グリーン上の精彩を欠いた。それでも「ショットも少しずつ自分のいい動きができたと思えるショットも増えてきている」と手ごたえも感じ取れる。それだけに「試合での対応力が欠けている」という部分は悔いが残る。
ただし左手の故障が快方に向かっていることを、しっかりと感じられたのは大きな収穫。欧州では、スイング時のトップの場所が昨年までのように低く、腕に頼らずに体の動きを意識した力みのないスイングを強く意識してラウンドの歩みを進めていった。「この頃はショットができないぶん、グリーン周りやパッティングで何とかしなければというゴルフを求めていた。でも今はショットにフォーカスしているぶん、パッティングが足りないのかな」。これが全英でのパッティング不振につながったのは皮肉なようにも感じるが、ショット面にメドが立ったのは今後に向けても大きい。
この2日間を振り返ると、「自分でボロボロ落としていった感じはあった」と、よくなかった点にばかりどうしても意識が行ってしまう。そして「情けない2日間だった」という言葉につなげた。復調の兆しが感じられた“特別な場所”。あとはプレーがしっかりかみ合うことを期待したい。(文・間宮輝憲)
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