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渋野日向子がハワイで披露した新武器 “直ドラ”で本格参戦後初のV争い【米女子22年名勝負】

渋野日向子はキム・ヒョージュに惜敗も…優勝争いを演じた(撮影:Getty Images)

米国女子ツアーはタイ決戦を皮切りに、いよいよ2023年シーズンが本格的にスタートする。今季はこれまでの畑岡奈紗、渋野日向子、古江彩佳、笹生優花に加えて勝みなみ、西村優菜といった選手も参戦。ますますの盛り上がりを見せるであろう戦いの前に、昨シーズンの名勝負を振り返りたい【ロッテ選手権】

大会初日の11番パー5。渋野日向子がいきなり、新しい武器を披露した。“直ドラ”だ。グリーンエッジまで250ヤードで、3打目地点の右サイドにはグリーンまで大きな池が伸びて待ち構えている状況。「なるべく近づけて(フェアウェイ)左サイドにつけば、アプローチで池が絡まないいかな」。アマチュア時代はもちろん、プロになってからも試合では「やったことはないと思います」と記憶にない攻め方をみせた。

結果的には「チョロでした、危なかったですね(笑)」と最初から“思い通り”とはいかなかったが、これがハワイらしい強風が吹く同大会で、欠かせない武器になる。

2日目もパー5の2打目でドライバーを握った。しかも2回。後半の5番では、一度は3番ウッドを握るもドライバーに持ち替えるほど。直ドラで花道まで運び、そのアプローチは寄せきれなかったものの、3.5メートルを決めてバーディ奪取。強風の中でスコアを伸ばし、日本勢最上位のトータル3アンダー・11位タイで決勝ラウンドに進出した。

ムービングデーも“直ドラ”を多用しながらスコアメイク。4つのバーディを奪ってボギーなしの「68」でプレーし、首位と3打差の2位タイと好位置につけた。2週前のメジャー大会「シェブロン選手権」では単独首位で予選通過も、3日目に大きく崩れた。「先々週は苦い思いをしました。追う立場ですが、笑顔で終えられるように」と、2020年「全米女子オープン」以来の最終日最終組入りで、米ツアー参戦後の初優勝を狙った。

最終日もドライバーを力強く振り抜き、そのなかにはもちろん“直ドラ”も。キム・ヒョージュ(韓国)と一騎打ちの様相を呈して、期待は高まっていく。だが、1打差に詰めて最終ホールを迎えるも、追いつくことはできず。「70」とスコアは伸ばしたが、2打差の単独2位で大会を終えた。

「悔しい終わり方ですね」、「追い付けるような強さがないといけん」と思わずこぼすが、それでも笑顔を浮かべた。「この4日間でボギーを4個で抑えられたなと。3日目、4日目は難しい風やピン位置のなかでノーボギーで回れたのは、これからにつながります。あと個人的には3パットがなかったのがうれしかった(笑)」。4日間アンダースコアを叩き出して優勝争いを演じたことには、シェブロン選手権で得た手ごたえとは異なるものを感じさせた。

惜しくも優勝こそを逃したが、この結果、シード獲得には大きく前進。2週前のメジャー大会「シェブロン選手権」で“劇的”に4位タイで終え、この大会でも大量ポイントを上積み。“当確ライン”を大きく上回って、来季出場権を手中に収めたのだった。

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