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一目ぼれした「めちゃ渋っ!」パターが悩み解決? 左ヒザの負傷抱えながら三ヶ島かなが好発進

じん帯が切れている状態でプレーしている三ヶ島かな(撮影:鈴木祥)

<リゾートトラスト レディス 初日◇25日◇グランディ浜名湖ゴルフクラブ(静岡県)◇6500ヤード・パー72>
 
急きょ投入した1本のパターが悩みを解決してくれるかもしれない。「今パターを模索して、毎週(ヘッドなどを)替えているんです。今週『これいいな』って手に取ったものを使ったら入ってくれた。イメージ通りのボールが出るし、操作性もよくて結果も出ました」。首位と2打差の4アンダー・6位タイで滑り出した三ヶ島かなが、満足そうにプレーを振り返る。

今季開幕戦の「ダイキンオーキッドレディス」こそ9位で終えたが、直近で出場した6試合中5試合で予選落ちと、現在、苦しい時間を過ごしている。その大きな原因が、3月の「アクサレディス」欠場の理由になった左ヒザの故障。「アクサの週の月曜日にやりました。トレーニングしようとストレッチをしたときに“バキッ”って外側のじん帯が切れた」。現在も完治はしてないが、医師の許可を得たうえでテーピングを巻きながら出場を続けている。「トレーニングだと思って」とは言うが「強行突破」であることには間違いがない。
 
3週間の療養期間を経て「KKT杯バンテリンレディス」から復帰したが、一番違和感を覚えたのがグリーン上のプレーだったという。スイングできない間、自宅でパターマットを敷いてボールを転がしていたが、それに慣れすぎたのかコースに戻った時に感覚が戻らなかった。こうした経緯もあり、パターヘッド探しの日々が始まることになる。
 
昔のエースパターなどを引っ張り出しては、試して、また別のものに変えてきた。そんなことが続くなか、今週の練習中、選手の試打用にグリーンに置いてあったPINGの『ANSER2』のヘッドを見て「めちゃ渋っ!」と気になった。手に取ってみると軽くて、ショットを打っているときのような感覚でストロークできたことでさらにお気に入りに。いわゆるピン型のパターを使用したことは、「初めて」というがソール全体が曲線で構成される“船底”の座りのよさも、即投入を後押しした。
 
そして前半7番で3メートルのパットを決め、初バーディを奪ったときに「大丈夫と確信した」と“目利き”が間違っていないことへの手ごたえを感じ取った。そこからは「不安が大きかった」という2~3メートルの距離を次々と流し込んでリズムを作り上げる。「試合直前まで悩みました」という1本が結果的にハマり、31パットながらチャンスをものにし、5バーディを積み上げる仕事を果たした。
 
欠場したアクサレディスでは、同学年の山内日菜子が劇的な初優勝を挙げ、それも刺激になったという。「(1996年生まれの)96年会が頑張っているし、私も」という思いは強い。現在はメルセデス・ランキング70位で、5シーズン守ってきたシードの圏外にいるが、ここからの浮上、そして2シーズンぶりの優勝を目指していく。「寝て起きて毎日調子を確かめながらプレーしている。状態に合わせてベストを尽くして」。傷を負ったヒザは万全ではないが、そんな苦境を1本のパターが救うかもしれない。(文・間宮輝憲)

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