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ナイスショットにも「根拠がない」  渋野日向子は光見えずに予選落ち…それでもやり通した“右ヒジたか~く”

渋野日向子のスイング改造の原点、合言葉は「右ヒジたか~く」。(撮影:南しずか)

<KPMG全米女子プロゴルフ選手権 2日目◇23日◇バルタスロールGC ローワーC(米ニュージャージー州)◇6621ヤード・パー71>

いいところなく2日間が終わってしまった渋野日向子。初日は「イメージが湧かない」と苦しんだが、2日目も状況は変わらなかった。ゼロだったバーディはこの日ひとつ。5つのボギーで4つ落とし、トータル11オーバー・130位タイ。2023年のメジャー2戦目は、今季初の米ツアー予選落ちに終わった。

決勝ラウンド進出にはビッグスコアが必要な状況にも、気持ちの面で好転せず。スイングのイメージやパッティングでも悩みは尽きなかった。途中は改善傾向も見られたが、「最後のほうはダメだったので、ちょっといい風に捉えられなくなりました」と明るい兆しも最後には消えてしまった。

やりたいことを考えながら、それ以前にやりたいことがなにかを考えるうちに、結果的にナイスショットに見えるものでも自信にならない。前日より安定したティショットについても「根拠がない」と不満。「自分でいいスイングができたっていう感触もないですし、まあ、すごく迷い迷って」と負のスパイラルから抜け出すことは叶わず。深まった悩みの解決策を探すのも、いまは難しい。

そんな状況でも、この日はやり通したことがあった。今年のシーズンインとなった2月の「ホンダLPGAタイランド」で話していた課題、『右ヒジたか~く』のイメージだけは貫いた。初日を終えた渋野に、今季から再び指導を仰いでいる青木翔コーチから連絡が入った。『それだけを意識するように』。トップが高くなった今年の新スイングの根幹だけは守るようにとの指示。迷路に入り込みそうなところ、「それだけでもやりきってこいというのを言ってくれたんで、すごいありがたかったです」と、素振りから意識的にやり続けたことは、この日の評価ポイントとして挙げる。

悪天候のなかでももがき続け、きっかけをつかもうと必死にプレーした2日間。明らかな光が差し込むことはなかったが、幸い来週は1週間の空き週。「練習するしかない。とりあえず練習して、まあ来週はアメリカでオフを迎えるのでリフレッシュしつつも、しっかりゴルフも頑張ります」と切り返るしかない。「ちょっと早めにペブルビーチにも入って」と次戦に向けて顔を上げる。「膿(うみ)はぜんぶ出し切った」と前向きに捉え、続くメジャーを見据えた。(文・高桑均)

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