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「めっちゃ面白いゴルフができました」 上野菜々子が99位→21位に戻した“ジェットコースターラウンド”

派手なラウンドでこの笑顔。上野菜々子が見事カムバックを果たした。(撮影:佐々木啓)

<資生堂 レディスオープン 2日目◇30日◇戸塚カントリー倶楽部(神奈川県)◇6605ヤード・パー72>

初日99位と出遅れた上野菜々子が、2つのチップインを含む8バーディ・3ボギーの「67」をマーク。トータル1アンダーの21位タイまで一気に順位を上げてきた。「スイングのことを考え過ぎていた」という初日の反省から、この日はアドレスの重心だけを意識して、どんな球筋を打ちたいのかに集中。2度のチップインもあり、猛チャージにつながった。

今大会前にキャディと決めた目標は4日間で20バーディ。ボギーの数は考えず、とにかくバーディを重ねることを意識していた。ところが、初日はまさかのバーディなし。その遅れを取り返すべく、2日目は10バーディを取るつもりでスタートした。

序盤はボギーとバーディを繰り返す展開となったが、目標に向けては確実に前進。そんななか、6個目を狙った後半の4番パー4では、4メートルのバーディパットがカップに嫌われ、ボールはUターンした。「イラっとしたというか、あれで火が着きました」。同時に気が付いたのは残り5ホールをすべてバーディにしなければ、目標の10個には届かないという事実だった。

直後の5番パー3では8メートルの下りのフックラインを強めにガツンと沈めてのバーディで、6番パー4は奥のエッジからチップインバーディ。7番パー5はボギーとしたものの、8番パー3では手前から15メートルを放り込み、8つ目のバーディを奪った。「めっちゃ面白いゴルフができました。ジェットコースターみたいでしたね」。10個には届かなかったが、最後までバーディを狙う攻めのゴルフは貫いた。

同組の葭葉ルミは今週も食事に出掛けた間柄で、高木萌衣は同じ大阪出身で4歳年上ながら「めいちゃん」と呼ぶほど仲がいい。「プライベートのラウンドみたいでした」。気心知れたメンバーが揃ったペアリングも上野の猛チャージを後押しした。

直近は3試合連続予選落ち。5月に経験した胃痛でスイングを崩したのが不調の原因だった。「食事も満足にとれなくなるし、体幹に力を入れると痛いので、手打ちになっていました」。ここにきて食事の量は元に戻り、呼吸を意識することで体幹に力を入れる感覚も戻ってきた。

ひさびさの決勝ラウンド進出となったが、4日間で20バーディの目標は変わらない。「いったん、6つずつを目指します。3日目にもし足りなかったら、最終日に追加ですね。ボギーがいくつになるかは考えません」。目標の20個に到達できるのか、同時に初日の99位からどこまで上位に迫れるのか? 本人はもちろん、見る側にとっても「めっちゃ面白いゴルフ」を期待したい。(文・田中宏治)

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