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ジョーダン・スピース悲劇の1ミリ 「RBCヘリテージ」プレーオフでの天国と地獄

ウィニングパットを外した瞬間のジョーダン・スピース(撮影:GettyImages)

マシュー・フィッツパトリック(イングランド)が6歳の頃から観戦に訪れていた大会で優勝するという、ドラマチックな展開で幕を閉じた「RBCヘリテージ」。しかし、ジョーダン・スピース(米国)が優勝する可能性も十分にあった。

ディフェンディングチャンピオンとして挑んだスピースは、トップと2打差の3位タイで最終日をスタート。先週の「マスターズ」で見せた勢いそのままに、この日もスタートダッシュを決め、6番までに4つのバーディを奪った。

一方のフィッツパトリックも、6番までに2バーディ・ノーボギーと安定したゴルフを展開。しかし、6番でスピースに並ばれたことがプレッシャーとなったか、7番でボギーを叩き、首位の座を明け渡した。その後は一進一退の攻防が続き、両者トータル17アンダーで18番ホールを終え、決戦の行方はプレーオフにもつれ込んだ。

そして訪れるのが動画のシーン。プレーオフの1ホール目は、18番パー4。先にパーでホールアウトしたフィッツパトリックが見守る中、スピースはバーディパットを打った。

いいスピードで、いいラインでカップに迫るスピースのボール。スピースは、カップインすることを確信し、左手に持ったパターを掲げ始めた。しかし、ボールがカップに入ったと思った瞬間、ボールはカップをなめ、無情にも外に出てしまった。あと1ミリ左にずれていれば、確実に入っていたはずのパット。つかんだと思った2年連続優勝は、その手からこぼれ落ちていった。スピースはパターを手放し、帽子を脱いで、頭を抱えた。

その後はご存じのとおり。プレーオフ3ホール目でフィッツパトリックが完璧なショットを放ち、思い入れのある地での優勝を遂げたのだった。勝者が笑顔を見せる裏で涙を呑む者がいる。なかなか焦点が当たることはないが、そこにもまたドラマがある。スピースがこの悔しさをバネにさらに飛躍することを期待したい。

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