1590位からの下剋上ならず 安森一貴は初V逃すも全英切符獲得「パスポート更新しないと」
<~全英への道~ミズノオープン 最終日◇28日◇JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部(岡山県)◇7461ヤード・パー72>
入れればプレーオフという2メートル弱のパーパット。「フックすると思ってカップの右縁を狙った」ボールは、狙い通りのところに打ち出したが、ややスライスする形で右カップをなめて外れた。この瞬間、初日から首位の座を守っていた25歳・安森一貴のツアー初優勝がなくなった。
前半ボギーが続く苦しい展開でも、中盤から立て直して堂々と優勝争い。だが、最後の最後に力尽きた。最終18番パー5でのボギーでこの日「72」。プレーオフに1打及ばず3位タイで終えた。
2位に2打差の首位で出た安森は、スタートの1番パー4でティショットをフェアウェイバンカーに入れて、パーオンを逃してボギー先行。2番パー5でバーディを奪った金谷拓実に並ばれると、4番パー4で安森がボギーとして首位から陥落した。
チャンスホールの6番パー5もボギーとして、この時点で3打差に後退。7番パー4でも3メートルのパーパットを残して大ピンチとなったが、ここできっかけをつかんだ。「今までボールに書いた線を合わせていたのですが、大きく曲がるので線を合わせずに自分のフィーリングで打とうと思った」とラインを合わせずに置いたボールはカップに沈んでナイスパーセーブ。
続く8番、9番で連続バーディとして流れを変えると「後半から本来の調子に戻った」。後半に入ると11番、13番、16番でバーディを奪って首位に並ぶ。最終18番パー5はティショットを左に曲げたが、池に入ったと思われたボールは岩に跳ねてフェアウェイに戻ってきた。
だが、その幸運を生かせず。2打目を右のラフに入れて、3打目は15メートルのバーディパットが残った。「ウィニングパットに近い感覚で、絶対にショートしないように打ったらちょっと打ち過ぎちゃいました」。2メートル弱オーバーすると、返しを外して72ホールを終えた。
世界ランキング1590位の下剋上とはならなかったが、上位4人に付与される「全英オープン」のチケットは手に入れた。「全英でリベンジしたい気持ちももちろんあるんですけど、まずはきょう一日ティショットが曲がっていたので、その修正をしたい。来週もツアー選手権があるので、ベストコンディションで全英に行けるように調整したい」と次週以降に目を向ける。
旅行で国外に行ったことはあるが、海外の試合に出場するのは初めて。「パスポートを更新しないと…」。そちらの準備も整えなければならない。(文・小高拓)
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