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「夢にもでてきた」惨敗を乗り越えて 米澤蓮がつかんだ価値ある2勝目

強かった! 米澤蓮が今季2勝目(撮影:上山敬太)

<横浜ミナトChampionship 〜Fujiki Centennial〜最終日◇11日◇横浜カントリークラブ(神奈川県)◇7207ヤード・パー71>

最終18番のパー3でパーパットを決めると、控えめにガッツポーズを繰り出した。トップと2打差の2位からスタートした米澤蓮が7バーディ・ボギーフリーの「64」をマーク。トータル22アンダーまで伸ばし、ツアー2勝目を逆転で飾り、今季初の複数回優勝者に輝いた。「まさかこんなすぐに優勝できる機会がくると思ってなかった」と自身も驚きだ。

5月の「中日クラウンズ」で初優勝を遂げると、6月の「BMW日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」でも優勝争いの末に悔いの残る負け方をした。大会最終日、トップに立っていた岩田寛を2打差で追う展開。最終18番でパーパットを決められず、プレーオフへは進めなかった。外したラインや距離は「夢にでてきましたよ(笑)。本当に思い出したくない」と今でも鮮明に覚えている。

「あのパットを外してから、何か尾を引いていた。あれが引き金かは分からないけど」とストレスで帯状疱疹を発症。前戦の「長嶋茂雄INVITATIONALセガサミーカップ」を欠場した。不安が残るまま迎えた今大会、最終日の目標スコアは「65」だった。「それで負けたらもうしょうがない」と強い覚悟をもってこの日をスタート。昨年大会は予選落ちに終わり、コースにポジティブなイメージはなかったが、暑さで硬くなっていく芝に対応するためにも刻むところは刻み、順調にバーディを重ねていった。

後半の14番パー5。予選2日間のティショットは3番アイアンで打ったが、「同組の選手がばんばんドライバーで打っていて、意外と右側が広いな」と決勝2日間はドライバーを握った。「ここを獲れないと勝てない」。そんな思いでフェアウェイから打った2打目はグリーンをとらえ、2パットでバーディを奪取した。続く15番でもバーディを奪い、1打リードして迎えた16番でセカンドをグリーン奥に外すミスショット。「難しいパーパットが残りましたけどこれを入れることができたので」と17番のバーディに繋げた。

「最終日のバックナインで勝負できる体力を残すプランだった」。体力温存のため、無駄なエネルギーを練習やコース上で使わないよう試合前後の過ごし方を工夫。練習内容を見直し、時間も減らし、ゲームプランに合ったプレーができたことも勝因の1つに挙げる。

賞金ランキングもこれで3位に浮上。体調不良を乗り越え、「いま振り返ればしっかり休む期間があったのは良かったと思います」と休養が奏功した。「思っていた以上に早く訪れたチャンス」をつかめたことで自信を取り戻し、中日クラウンズに続いて2着目の青いジャケットに袖を通した。秋のビッグトーナメントに向けて弾みをつけた米澤が、3勝目、4勝目を狙っていく。(文・小池文子)

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