“想定外”プレーオフで一歩届かず 西郷真央は勝者称える「蛭田選手が上だった」
<CAT Ladies 最終日◇20日◇大箱根カントリークラブ(神奈川県)◇6638ヤード・パー72>
首位タイからスタートした西郷真央は「69」でトータル13アンダーとスコアを伸ばし、同じく首位タイスタートの蛭田みな美とのプレーオフに持ち込んだものの、1ホール目で涙をのみ、昨年5月以来の通算6勝目はならなかった。それでも、シーズン前半とは見違えるプレーぶりで、存分に復調をアピールした。
18番パー5で行われたプレーオフ1ホール目。2.5メートルのバーディパットはカップ手前で左へと切れていった。「傾斜が強いところにカップが切られているのは分かっていたんですけど、あれ以上(右に)出すのはリスクがあった。勝負をかけたパットだったし、1打目、2打目も思うように打てたので、蛭田選手がそれよりも上だったんだと思います」。プレーを終えた西郷は、悔しさを押し殺すようにこう口にした。
蛭田が正規の18番で1メートル弱のパーパットを外したことで巡ってきた、“想定外”のプレーオフ。「普通に(蛭田が)パーで上がると思って、拍手をするつもりで待っていました。プレーオフになったことだけでもラッキーだったと思っています」。プレーオフでもここまで3日間54ホールと同様に安定したショットを披露したが、最後は一歩及ばなかった。
この日は優勝争いの中で飛距離をコントロールすることが課題だった。「今まで最終日になるにつれて飛び過ぎてしまって、距離が合わなくなることがあったので、アドレナリンが出過ぎないように距離をコントロールすることを意識していました。今日はティショットも、コントロールショットもうまく制御することができていたので、いい内容だったなと思います」。優勝カップは手にできなかったが、課題はしっかりクリアした。
久々の優勝に向けて、あえて必要なピースを挙げるとすれば、よりピンを攻める積極性。「海外の試合に比べて、日本では傾斜のある所にカップを切ってくるので、ショートサイドに置かないとチャンスがないホールも多い。リスクを冒しても、そういうところに攻めていくゴルフをやっていかないといけない」。今夏は海外メジャーを転戦し、今大会は2カ月ぶりの国内ツアー。試合を重ねていけば、おのずと日本仕様のマネジメントを取り戻すことができるはずだ。
年末には来季の米女子ツアーの出場権獲得を目指し、Qスクールを受験予定だが、それまでは「国内ツアーを全力で頑張りたいと思います」。昨季終盤や今季序盤とは違い、自信を持って1Wを振り抜く今の西郷なら、復活Vは時間の問題だ。(文・田中宏治)
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