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昨年大会は71位 細川和彦が次男と再タッグで『65」のリベンジスタート!

細川和彦が息子の前で会心のプレーを見せた(撮影:米山聡明)

<ファンケルクラシック 初日◇18日◇裾野カンツリー倶楽部(静岡県)◇6993ヤード・パー72>

昨年大会では「77」、「76」、「73」と3日間ともオーバーパーでトータル10オーバー・71位タイに沈んだ細川和彦が、今年はロケットスタートを決めた。1番パー4で朝イチバーディを奪うと、11番からの4連続を含む7バーディ・ボギーフリーの「65」で、後続に3打差をつけて単独首位で滑り出した。

「アイアンが良かった」と本人がいうように、出だしの1番では8番アイアンでいきなり1メートルにつけると、11番パー4ではあわやチップインというショットをみせて楽々バーディ。続く12番、13番、14番といずれも1メートルにつけ、4連続バーディで一気にリーダーボードを駆け上がった。

シニアツアーは約2カ月間空いて今季4試合目となる。「特に何も変えてない」という細川だが、初日はアマチュアの水上晃男、横田真一とまだ風も弱かったアウトの1組目でスタート。同伴競技者とのリズムも合った。

「水上さんはドライバーが上手い。ドライバーでラインを出したり、ボールを上げたり。アマチュアでもよく振る(マン振りする)人とかいるけど、そういうのが一切ない。水上さんのリズムを見ていて、ドライバーもアイアンも良くなった。リズム感が勉強になりました」と振り返る。アマチュアに負けてたまるかと力むのではなく、アマチュアから学んで好ラウンドにつなげた。

ちなみに、水上はプロたちから「プロいじめ」と称されるトップアマチュアで、あの尾崎直道に「何でプロにならなかったんだ?」と言わしめる腕前。昨年大会はトータル3アンダー・11位タイで終え、細川を含め多くのプロより上位で終えている。

細川が恥ずかしいプレーをできない理由はほかにもある。昨年に引き続き、次男の和秋さんがキャディを務めているのだ。「去年は9番パー5で2オンを狙って池に入れたり、18番パー5でもセカンドを狙ってOBを打ったり、すごくもったいないミスが多かった。今年も息子がキャディをやっていて、今年はそういうもったいないミスをやめようと思った」。

その言葉の通り、最終18番では「最初から刻むつもりでした」と、ティショットを左の斜面に打ち込むも、セカンドでフェアウェイに戻し、残り155ヤードの左足下がりからの3打目を9番アイアンで1.5メートルにつけてバーディ締め。最後まで集中力を切らさずにボギーフリーのラウンドを走り抜けた。

現在、和秋さんは大学2年生で、将来はトレーナーを目指して勉強中。昨年からゴルフを始め、細川の指導もあって1年ちょっとでベストスコア「81」にまで上達した。昨年は「270~280ヤード」というドライバーの飛距離に関しても、「トラックマンで300ヤード行っている。もう飛距離は勝てない」と父は舌を巻く。

これに取材陣が「すごいですねー」と反応すると、「俺はゴルフを始めて1年後にアンダーパーで回ってたからね(笑)。15歳でゴルフを始めて、高校・大学7年間でプロになって9年目にシード選手だから」と父はドヤ顔で笑う。やはり、レギュラーツアー通算8勝を挙げ、かつて米ツアーにも挑戦した52歳の才能と努力もすごかった。

昨年大会では、最終日に会場に駆けつけた息子の前で鈴木亨が優勝を飾った。残り2日間は「楽しんでやりたい。子供にもいいところをみせたいし、一緒に優勝争いをしたいし、楽しみたいですね」と笑顔がこぼれる。そして、「去年のリベンジを今年はしたいな」とひと言。和秋さんと優勝カップを掲げて真のリベンジを完遂させたい。(文・下村耕平)

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