松山英樹に“ついていった”宮里優作が好発進 「よくやっていると思いますよ、僕ら(笑)」
<ダンロップフェニックス 初日◇16日◇フェニックスカントリークラブ(宮崎県)◇7042ヤード・パー71>
ひと組前を回っている注目組のことが、プレー中も気になっていた。宮里優作の前の組でプレーしていたのが、松山英樹、ブルックス・ケプカ、ウィンダム・クラーク(ともに米国)のペアリング。「日本に来て、PGAツアーの組み合わせじゃなくてもいいのにねえ。僕らは楽しいですけれど(笑)」と笑顔で宮里節も交えながら、その背中を追いかけていく初日が始まった。
遠目から見ていてもあまり調子がいいようには感じていなかったなかで、松山は8アンダーを叩き出して単独首位発進。「調子はそんなに良くなかったと思うけど、あのスコアを出せるのは、良かったらどうなるんだろうなと」も驚きを隠さない。一方で、クラークがイーブン・49位タイ、ケプカが2オーバー・66位タイで滑りだすことになったが、2日目以降の立て直しにも、いち選手として期待しているようだ。
海外トップ選手の争いは、飛距離にも目を見張った。ドライビングディスタンスは316ヤードを記録したクラークを筆頭に3人とも300ヤードオーバー。283.5ヤードで全体40位タイだった自身と比較したら、つい差を感じてしまう。「すごいな~と傍観しながら。はるか彼方にいるんでね。3クラブくらい違うなか、よくやっていると思いますよ、僕ら(笑)」と笑うが、ボギーフリーの「65」というラウンドで、松山に2打差の3位タイの好発進だ。
ダンロップフェニックスの芝は「ちょっとだけボールが沈む」というが、その対策はけさひらめいた。「コンタクトがうまくいかなくて、ボールポジションとかいろいろやってみたけれど、最終的にはちょっと短く持ったほうがいいだけの話でした」。指1本分くらい短く持ったクラブはボールにきれいに当たりやすくなり、ショットでチャンスメイク。そしてパッティングを決め切った、流れのいい一日だった。
2015年大会を制した覇者は、現在、シード権獲得のボーダーラインが背中にせまっている状況。59位の位置から安全圏に浮上したい。「初日に照準を合わせて、予選を通らないといけないことを念頭に置いてきた」なか、気合い通りの好発進。あすも松山らのひとつ後ろをついて回っていくが、その背中を颯爽と追い越していきたいところ。
同じく、6アンダーの3位タイにつけた中島啓太も、ペアリングについては思いもよらなかったという。賞金ランキング1位に立つなどの状況の中、予選ラウンドで松山と回る可能性も「あると思っていましたね」と予想していたなか、そうはならなかった。すこし気まずそうな笑みを見せながらも、素直な気持ちを明かした。
もちろん一緒に回りたい気持ちはあるし、「それが最終日の最終組であれば一番良い」。あす松山はアウト、中島はインからスタートとコース上で交わることはなさそうだが、「自分に集中するだけなので組み合わせは関係ないし最終日に松山さんと優勝争いできればいいなと思う」と、まずは一打一打に全力を尽くしていく。(文・笠井あかり)
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