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HS38m/s以下に!PINGの軽量『G430 HL』シリーズ、3月2日デビュー【打ってみた】

ヘッド・シャフト・グリップ・スペック全てが軽量の『G430 HL』シリーズが誕生!

11日、ピンゴルフジャパンが新製品発表会をオンラインにて行った。発表されたのは、ドライバーが270g前後の軽量仕様モデル『G430 HL』シリーズ(ドライバー2機種、FW、ハイブリッド)だ。『HL(ハイローンチ)』仕様が必要となった理由を同社のハードグッズ担当・山崎力氏はこう説明する。

■同社テストでは100%HSアップ!

「昨秋から激飛・快音設計の『G430』シリーズが好評ですが、これまでカバー出来ていなかったHS38m/s以下の方向けに、待望の軽量モデル『HL』を設計致しました。我々は歴代重ヘッドで高MOIかつブレない性能を追求してきたため、ヘッド重量を極端に下げたもののご用意がなかったところ、今回、軽量でありながら高MOIを両立させられました。

ドライバーは見た目が通常の『G430MAX』と『G430SFT』と変わらない2種類ご用意しましたが、ウェイトの重さは約半分。また[スピーダー]()NX』の『HL35(38g)』と『HL45(46g)』やIOMIC社と共同開発の専用グリップで10g軽量化、ヘッド・シャフト・グリップ全てをHS38m/s以下の方のため最適化しています」(山崎氏)

同社のヒューマンテストでは、HS38m/s以下のテスターが100%HSアップし、その平均値はHSが+1m/s、BSが+0.96m/s、打出角も+0.93度上げられ、キャリー+13.8ydノーマル重量モデルを上回るとか。また、これまでのシニア向け軽量クラブのどのモデルよりもMOI(上下・左右)が圧倒的に大きく、その値は8700g・cm2に達すると言う。

■軽量モデルは12年前の『K15』以来!

同社の歴史の中でも、本格的な男性用の軽量モデルを用意するのは、2010年発売の『K15』以来となるとか。他メーカーではシニア向けの数多の軽量モデルが毎年当然のように販売されてきたが、どうして【いま、PINGが、軽量】なのか?

「昔から我々にも軽量クラブを求める声が多くあったことは間違いないです。ただ、それをやってこなかった理由が、MOIが低くなること。ヘッドがブレて右や左へ行ったりしますが、これは我々が1番求めていないこと。 軽くすれば、もちろん速く振れるのは当然分かっていましたが、今回は【軽量でもブレない】を実現することができました。

高MOIは主にHSが速い方の左右ブレを防げますが、【HSが遅い方は元々あまり曲がりません】よね。ただ、球が上がらずキャリー不足でロスしがち。この点を軽量のHL仕様で補った方がスコアに貢献できます。デザインはいわゆるシニア向けのモノとは異なり、カッコいい『G430』シリーズと見た目を変えずに使える点もポイントです」(同)

■ウェイトだけでなく、全てを最適化!

記者の周囲でも「G425 MAXやG425 LSTのヘッドが重すぎて、軽いウェイトに替えた」との声をよく聞くが、記者も『G425 MAX』のヘッドを重く感じたのは事実。パワー不足だと尚更そう感じる人が多くても不思議はなく、実際『G430 MAX』を最初に試打した時は『G425 MAX』より「3gほど軽くなった?」と感じ、振りやすく感じたもの。

実際のヘッド重量は変わらずとも、ウェイトが26gから23gに軽くなったことが影響したとしか考えられない。この流れからすれば、今回の『HL仕様』のスチールウェイトはノーマルの『G430』より約11g軽く、パワー不足の人に合うのは間違いなさそう。ただ、山崎氏は「ウェイトだけの問題ではありません」とクギを刺す。

「ウェイトを軽くすればいい!と単純解決しないことは多くの方が経験済みだと思います。やはり、シャフト・グリップふくめ完成されたクラブのパフォーマンスが重要。シャフトは単純に軽いだけでなく、先が走って球を上げやすい設計ですし、グリップは日本人の平均的な手のサイズに一番フィットしやすいサイズのまま、軽くしているんですね。

振りやすいスペックも重要で、総重量とバランスも非常に軽く振りやすい最適な設定を見つけています。40g台のシャフトだとバランスD1、 総重量274gで46インチ。30g台のシャフトは、D0、268g、46インチで市場にある軽量クラブの270g台前半よりも下のゾーンにも結果が出るスペックを用意してHL仕様を作っています」(同)

■HS38m/sで『G430HL SFT』は220y超!

記者(HS50m/s、ローフェーダー)にとっては超アンダースペックだが、ハーフスイング設定で試してみた。まずは『G430 MAX』比較で、ノーマルの『ALTA JCB』と『スピーダーNX HL45』の違いから。ノーマルはヘッドの動きがゆったりに感じ、十分に扱いやすいのだが、HSは同じ振り方で36.2m/sだったのに対し、『HL』はいきなり37.7m/sにアップした。

ワッグルでも振り出してからも、クラブ全体の軽さとインパクトの走り感が段違い。切り返し以降でもヘッドだけが遅れる感覚はなく、シャフトへのヘッドの追従性が高く、インパクトが通過点になって一気に振り抜けた。近い当たりでキャリーはノーマルの156.8ydから『HL45』で183.8ydまで伸び、高さも5.4yd高くなった。「速さと高さで激飛」の謳い文句の意味がよく分かる。

今度は『G430 SFT』比較で、ノーマル『ALTA JCB』と『スピーダーNX HL35』を打ち比べる。より軽いシャフトとつかまる『SFT』のヘッドだと、同じ振り方のイメージでもHS38.3m/sに伸び、キャリー192.6yd、トータル220.0ydまで伸びた。弾道高さはノーマル『SFT』より4.1yd高くなった。また、同社は「直打ちの3Wではより顕著に球の上がり方に差が出ますよ」とのこと。

ゴルファーは近いHSでも腕力の強い男性と、非力な女性では、ヘッドの重さの感じ方も異なるもの。今回の『G430 HL』は、重ヘッドが苦手な男性だけでなく、レディースでは物足りない女性ゴルファーまで、幅広くHS38m/s以下の人を救うと感じた。重ヘッド設計から、今までPINGを使いたくても使えなったシニア層ふくめ、幅広いゴルファーが『G430』シリーズを武器にできそう。

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