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「真っすぐ振る」にこだわるとトウに外す!? Mr.スパイダーの“米国”視点

畑岡奈紗も『トラスTB2トラスセンター』へ移行。Mr.スパイダーが米国視点でセンターシャフトを語ります(GettyImages、山代厚男)

29日、[▶▶▶稲見萌寧が『トラス』を強化。『スパイダーGT』のフルーテッドにリシャフト]()

■センターシャフト人気は日本だけ!?畑岡奈紗も移行したが…

米国のツアープロやアマチュアのパッティング動向を見続けているビル氏にとって、日本では毎度発見があるよう。特に「日本はセンターシャフトが市民権を得ている珍しい国」と話す。「センターシャフトはシャフトの延長上の真ん中打点で打てれば最強のパター。ただし、左右に打点がズレるとフェースがねじれてしまいます」とのこと。

裏返せば、米国でセンターシャフト愛好者は、かなりの少数派ということ。そして、同じセンターシャフトでも「トラスホーゼルは3点の幅で支えるため、左右の打点ブレに強い」と胸を張る。直近で、畑岡奈紗が『トラスTB2トラスセンター』へ移行したが、これはプロトタイプ。市販と何が違うのか?小竹氏がこう明かす。

「黒宮コーチから『畑岡プロに試させたい』と相談があって『TB2』を数本送ったのですが、彼女は元々他社のセンターシャフトを使ってきたため、近い見え方でエイムが取りやすい可能性があると考え、オフセットが全くないプロトタイプも1本用意しました。同じセンターシャフトといっても、ホーゼルの形が違うため、『TB2』には少しオフセットがありますが、彼女のプロトタイプにはそれがありません」(小竹氏)

畑岡は、先週の開幕前に『トラスTB2』についてこう話していた。トラスセンターに変わった影響か「ボールが飛ぶ」と実感を語っていた。

「同じ距離を打つにも、今までよりもストロークを小さくしても勝手にボールが飛んでくれる感覚が一番最初にありました。振り幅が小さくなればしっかり芯で捉えられる確率も上がってくると思う。特に傾斜があるグリーンでは、自分が狙ったところに思った打ち出しとスピードで打たないといけない。まだ(使用して)2週目ですけど、生かしていければ」(畑岡奈紗)

■「真っすぐ引いて真っすぐ出す」とトウに外す?

畑岡の話とは全く別に、ビル氏が「日本の試合を中継で見て、少し気になったことがある」と“米国”視点で指摘した。それは、(右打ちで順手で握る人が)フォロースルーの時に、右肩側に頭が倒れ込むように見える選手が目立つこと。バックスイングでは左肩が下がり、フォローで右肩が下がる形になる選手が多く見えることに疑問を投げかけていた。

この点について、橋本コーチや小竹氏も同意し、「真っすぐ引いて真っすぐ出す意識が強いと、トウ打点かつフェースが開きがちで押し出し傾向になりがち」と日本のスタッフたちも共感したよう。小竹氏もこう話す。

「女子プロの場合、バックスイングでヘッドを低く長く引く人が多いですが、真っすぐ引いて真っすぐ出す意識が強いと、ダウンスイングでたしかにサイドベンドを入れてビルが指摘したような形のフォロースルーになる選手もいます。日本はアマチュアの場合も【真っすぐ軌道で振る】ことにこだわる人が多いので、そんな教えの弊害は多少感じますね」

▶▶▶Mr.スパイダー、ビル・プライスに聞く【2】「PGAのマレット増は【無開閉アーク】が増えたから」

今年5月に来日した際、ビル氏は「PGAツアーでマレット型が流行っている理由は【無開閉アーク型】のストロークが増えているから」と指摘。こうした“米国のパター開発者視点”からすると、過度な「真っすぐ振る」信仰を一度疑う必要があるかもしれない。

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