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壁は高いほうが感動は大きい 申ジエの復活が女子ツアーをより面白くする【記者の目】 | ゴルフのポータルサイトALBA.Net

申ジエに勝ったからこその輝きがあった(撮影:GettyImages)

渋野日向子が米国女子ツアー「ポートランドクラシック」で優勝争いに敗れた最終日のラウンド後に、練習グリーンでパッティング練習をしたという。試合終了後は次の開催地に早めに移動したいと考えるため、残って練習する選手は多くない。とくに優勝争いをしていた選手となればスタートも遅く、なおさらとなる。

渋野日向子は大会終了後、練習グリーンでひとりショートパットを繰り返す【動画】

私が知っている限りでも一握り。特に覚えているのが2016年の「ゴルフ5レディス」で敗れた鈴木愛、そして同年の「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」で李知姫(韓国)に3ホールに渡るプレーオフのすえに敗れた申ジエ(韓国)くらいなもの。時間を空けてジエにその話を聞いたとき、「すぐに感覚を直したかったんです」と照れ臭そうに笑っていた。

そのジエが今年は苦しんでいる。14年に日本ツアー本格参戦以降、コロナ禍で試合が激減した2020年を含めて8年連続で複数回優勝を達成。すべてのシーズンで獲得賞金は1億円を突破するなど、元世界ランキング1位の名に恥じない活躍をしてきた。

だが、今季はここまで未勝利。賞金ランキングは32位、総合的な活躍度を示すメルセデスランキングは24位と本格参戦以降最低の数字。特に顕著なのが最終ラウンドの平均ストロークで、71.4は22位。かつて米ツアーで最終日の強さから“ファイナルラウンドクイーン”と呼ばれた面影を失ってしまっている。

苦しんでいる理由はいくつかあるが、一番は3月に行った手術だろう。開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」の後、ここ数年痛みと付き合っていた両ヒジにメスを入れた。シーズン中の手術、その難しさは想像に難くない。

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