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女王の可能性はなくとも… 夕暮れに浮かび上がった鈴木愛の渇望【記者の目】 | ゴルフのポータルサイトALBA.Net

悔しさを結果に変える力 それが鈴木愛の最大の武器(撮影:岩本芳弘)

国内女子ツアーは残り2試合。前週の「伊藤園レディス」で賞金ランキング1位の稲見萌寧が優勝して、同2位につける古江彩佳を再び引き離して賞金女王に一歩近づいた。そんな大会で私は前回の女王に目を奪われていた。

しぶこは誰よりも早く来て… 幻想的なパッティング練習

女王争いを繰り広げる稲見が首位に立ち、50勝のレジェンド・不動裕理と一緒に回った渋野日向子が最終ホールでダブルボギーを叩いて1打足らず予選落ち。小祝さくらの賞金女王が消滅…と様々なトピックが躍った大会2日目。全選手ホールアウト後、練習グリーンに最後まで残っていたのは鈴木愛だった。

初日に2アンダーで3位タイにつけながら、この日「75」と苦しみ24位タイに転落。2019年に優勝したコースで、パターの名手がこの日は30パット。悔しさそのままに懸命に球を転がしていた。11月に入り日は短く、一気に気温は下がる。あたりが暗くなり、冷え込んできてからもシルエットはそこにあった。

なんでだろう、というのが最初に浮かんだ言葉だった。もともと練習の虫。練習グリーンに最後までいることは、遅くまで練習する選手が増えてきた今でも少なくない。だが、今季はもう残りわずか。すでに賞金女王の可能性はついえている。一方で今季は優勝もして最終戦の出場も決まっており、賞金シードも手中に収めている。言い換えればその上がない、モチベーションを作りづらい状況。悔しい気持ちはあっただろうが、「もう今年も終わりだしな。来年頑張ろう」と思ってもおかしくない。

一方でこれが強さの理由なんだとも思った。この時点では私の憶測でしかなかったが、翌日確信に変わる。最終日のスコアは6バーディを奪ってボギーなし。「67」をたたき出して、6試合ぶりのトップ10入りを決めたのだ。だが、私がそれ以上に鈴木愛というゴルファーの強さを感じたのはホールアウト後のコメントだった。

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