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プレーオフ5ホール目の最後はラフからパター 期待の星が13年目で手にした初タイトル【名勝負ものがたり】 | ゴルフのポータルサイトALBA.Net

この年は全英オープンにも出場、自信を胸に15位に入る健闘を見せた(撮影:ALBA)

歳月が流れても、語り継がれる戦いがある。役者や舞台、筋書きはもちろんのこと、芝や空の色、風の音に至るまで鮮やかな記憶。かたずをのんで見守る人々の息づかいや、その後の喝采まで含めた名勝負の数々の舞台裏が、関わった人の証言で、よみがえる。

「今のほうがいい!」米山剛の最新スイング【連続写真】

「ゴルフをやっていてよかった」。34歳の米山剛が、心からそう思った初優勝は、1999年三菱自動車トーナメント。ジュニア時代から注目を集め、日大ゴルフ部の頃には日本オープンローアマや日本学生などのタイトルを手にしてプロ入りした期待の星が手にした待望の勝利は、緊張の中にも心地よい集中あってのものだった。

トーナメントは5月の雨で幕を開けた。岐阜県のレイクグリーンGCレイクC。雨による一時中断の末、サスペンデッドで始まった試合の第1ラウンドを、米山は2アンダーでプレーした。首位のデビッド・イシイとは4打差17位タイ。悪くないスタートだ。

「優勝とかいうレベルではないけど、調子が良ければベスト5に入れるかな、と言うような頃でした。スイング的には(56歳の)今のほうが感じよく打てているけど、この年は勢いがあった」と振り返るシーズン。現在のように、ツアーでアマチュアが上位に食い込むことなど皆無に近く、プロ入りしてすぐに活躍するのもごく限られた選手だけ。30代半ばは、脂が乗り始めた頃、と言う時代だった。

それでも「そろそろ自分より若い子が優勝していて、優勝したいな、と思ってはいました」という気持ちもあった。

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