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2021年PGAツアーで距離を伸ばした上位20傑は何を使ったか?【記者の目】

2020年より飛距離を伸ばした選手は、どんなドライバーを使っていた?(撮影:GettyImages)

コロナ禍で激動の2020−21PGAツアーが終了し「ライダーカップ」後すぐ、ブライソン・デシャンボーがなんとドラコン大会へ出場、決勝まで残った。従来のツアープロではあり得ない飛距離への貪欲さを発揮、そして2020年の平均322.1y(1位)から2021年は平均323.7y(1位)と1.6y伸ばした。では、ツアー全体の飛距離はどうなっていたのか?。

計測ホールの平均飛距離を比較すると、2020年の296.4y⇒296.2yと若干ダウン。(2019年は293.9y)2020年より伸ばした選手は74人おり、落とした選手の方が105人と多数派だった。が、ヘッドスピードの平均は114.01⇒114.42mphで、ボールスピードは169.71⇒170.44mphへと微増。

となると、地面が柔らかくてランが減ったのか。キャリー飛距離は279.2y⇒280.7yへ微増しており、スピンレートは2634rpm⇒2542rpmへと微減、打ち出し角は10.49°⇒10.52°と不変だった。では、誰がどれだけ伸ばしたのか? 2020年対比平均+5y以上で、主にどんな1Wを使ったかを下記に上位から並べてみよう。

ディラン・フリッテリ(+18y、EPIC SPEED◆◆◆LS)●スチュワート・シンク(+10.9y、G425 MAX)●ジョセフ・ブラムレット(+10.3y、TSi3)●チャーリー・ホフマン(+10y、TSi3)●J.T.ポストン(+9.7y、TSi3)●ウィンダム・クラーク(+9.5y、0811X)●C.T.パン(+9.3y、TSi2)●ホアキン・ニーマン(+8.9y、G410 LST)●ベン・マーティン(+8.8y、TSi3)●カイル・スタンリー(+7y、TSi3)

ジム・ハーマン(+6.9y、SIM)●マット・ジョーンズ(+6.7y、TSi2)●ウィル・ゴードン(+6.2y、EPIC MAX LS)●パットン・キジーア(+6.1y、TSi3)●スコット・ブラウン(+6y、SIM)●アンドリュー・パットナム(+5.9y、G425 LST)●ネイト・ラシュリー(+5.9y、G425 LST)●キース・ミッチェル(+5.4y、ST-Z)●ローリー・マキロイ(+5.3y、SIM2)●ライアン・パーマー(+5.3y、SIM)

上記20人をメーカー別に数えると、1位が[▶▶▶ PGAツアー2020-21シーズンが終了。51試合中、最多勝ドライバーは?]()

これはある種当然で、同社は『プロV1』シリーズのボール使用率が圧倒的1位なだけでなく、近年ではクラブの全カテゴリの使用率でPGAツアーを席巻。ちなみに同社によれば、昨季のブランド別ドライバー累計使用数でも1980回の1位、2位メーカーが1370回と、『TSi』シリーズの性能はトッププロから高く評価されていた。

これだけ使用機会が多い上、同社だけが持つ「ATI425チタン」フェースの『TSi』を使う選手が距離を伸ばすのはある種当然と言えるだろうか。また、昔からドライバーの開発には、「どのボールで開発・テストするかが重要」「ドライバーとボールは同一メーカー同士が飛ぶ」などと、まことしやかに言われる。

ボールシェアでトップの同社は、ボールを持たないメーカーの開発やテストでもいの一番で使われる“基準”とも言える。このシェアを握るだけに、ドライバーだけでなく、FW、UT、アイアン、ウェッジ開発でも確実に優位な立ち位置を作り上げることができ、それがPGAツアーの使用率にも反映されるのだろうか。

Text/Mikiro Nagaoka

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