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プロ顔負けのポーカーフェイス 中島啓太が、サングラスで顔を隠すようになった理由【記者の目】 | ゴルフのポータルサイトALBA.Net

いつも冷静な中島啓太が号泣(撮影:佐々木啓)

パナソニックオープン」でプレーオフを制し、国内男子ツアー史上5人目のアマチュア優勝を遂げた中島啓太(日体大3年)。イラ立ちも、派手なガッツポーズもめったに見せない。多少の緊張が見えることはあっても、いつでもピンと背筋を伸ばして歩く冷静さ。はじめて筆者が取材した2018年の「アジアパシフィックアマチュア選手権」から、その印象は変わっていない。ただ、コース上とは違う一面もだんだん見えてきた。アジアアマ当時は高校生、中島がサングラスで表情を“隠す”ようになったのは、この少し前からだった。

最強アマチュア中島啓太のドライバースイング【連続写真】

「結構、涙もろいんです。年の離れた姉がいて、末っ子で甘やかされて育ってきたので」と照れくさそうに笑う。プロの試合で頂点に立った21歳のそんな素顔を、何人が想像できるだろう。

人なつっこく、“かわいがられ上手”というのが、今の印象。大学のチームメイトからは、「ゴルフ以外は、結構てきとうなんですよ」とからかわれる。ゴルフの実力だけでなく、人柄で大学やナショナルチームの仲間からの信頼も厚い。そして、ちょっと涙もろい。

18年のアジアアマ、優勝争いの相手は敬愛する金谷拓実。2打差で負けたが、優勝を決めた金谷がホールアウトすると、涙をこらえて笑顔で出迎えた。優勝する、と決めて出場した今年の「東建ホームメイトカップ」では、1打届かず優勝を逃し、グリーンを降りてすぐに泣いた。そして、20年に金谷がプロ転向を発表したとき。移動中、スマホでそのニュースを見て「ずっと遠征も一緒に行っていましたし、金谷さんの背中を見てやってきたので、寂しかった」と涙が出た。

「負けても勝っても、いつも泣いている」と、きっと人一倍、情が深い。大きな大会を前に自信が持てず、「どういう気持ちで戦ったらいいんだろう」と、金谷や同世代のチームメイトに頼ることもあった。だからこそ、プレー中は感情の起伏を隠そうと決めた。「感情を出さないで回りきろうと思ったきっかけは、キム・キョンテさん。かっこ良くて、高校のときから憧れました」と、キョンテのトレードマークのサングラスをマネし始めた。堂々とした歩き方は、ナショナルチームの2つ上の先輩、岡崎錬の姿を意識するようになった。

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